近藤は5球団の争奪戦



今オフ、近藤らがFA宣言したが中日は獲得に参戦していない

 シーズンオフとなり、FA権を行使した選手に注目が集まっている。

 DeNA・嶺井博希はソフトバンクが獲得に乗り出し、西武の森友哉は26年ぶりの日本一に輝いたオリックスが高く評価している。そのオリックスで扇の要を務めた伏見寅威は、新庄剛志監督率いる日本ハムが獲得に動くことを表明した。そして、争奪戦の様相を呈しているのが日本ハム・近藤健介だ。日本ハムが残留へラブコールを送っているが、ソフトバンク、ロッテ、西武、オリックスが高く評価している。5球団の争奪戦で近藤の決断が注目される。

 スポーツ紙デスクは、「今年のFA市場は捕手が人気です。捕手のポジションは1つしかないので、FAでチームの軸になる捕手を獲得すれば、レギュラーの捕手は出場機会が失われる可能性がある。森の動向は、伏見の決断に大きく影響するでしょう」と分析する。

 今オフのFA補強はセパで対照的な動きを見せている。パ・リーグは楽天を除く各球団が獲得レースに参戦している中、セ・リーグは静観している球団が多い。巨人が森の獲得に動く可能性があったが、岡田彰布監督が復帰した阪神はFA補強を行わないことを明言。リーグ連覇を飾ったヤクルト、新井貴浩新監督が就任した広島も静かだ。DeNAは正捕手・嶺井が他球団に流出となれば捕手の補強に動く可能性はあるが、現時点で動きはない。そして、今季6年ぶりの最下位に低迷した中日もFA補強は封印し、11月15日に阿部寿樹と涌井秀章(楽天)のトレードを成立させたが、現有戦力の底上げで巻き返しを狙う。

かつてはFAで主力を獲得



かつてはFAで選手を獲得し戦力アップを図っていた[写真は和田]

 かつての中日は、FA補強で各球団の主力を獲得していた。1994年オフに金村義明(当時近鉄)、98年オフに武田一浩(当時ダイエー)、2000年オフに川崎憲次郎(当時ヤクルト)、01年オフに谷繁元信(当時横浜)、07年オフに和田一浩(当時西武)を獲得している。だが、08年以降で獲得したのは小笠原道大、大野奨太の2人のみ。小笠原のケースはイレギュラーで、巨人で13年に22試合出場に終わり、同年オフに当時中日の落合博満GMが手を差し伸べる形で獲得した。

 今オフのFA市場で言えば、安打製造機の近藤が中日の補強ポイントに合致するが、資金力などを考えた上で他球団との争奪戦に参戦しなかったとみられる。ただ、打線強化は最重要課題だ。今季の414得点は12球団ワースト。本拠地が広いバンテリンドームであることを考慮しても、62本塁打は少なすぎる。日本新記録を達成したヤクルトの村上宗隆の56本塁打と6本差しかない。

助っ人野手で打力アップ


 中日を取材するスポーツ紙記者は、「中日に最も必要なのは30本塁打以上打てる外国人野手です。近年は他球団を見回しても当たりの助っ人野手が少ないですが、四番を打てる強打者を獲得しなければ得点力が上がらない。巨人のアダム・ウォーカーのようにメジャー経験がない選手が日本でブレークするケースもある。立浪和義監督がドミニカ共和国で行われているウインター・リーグを視察するなど、長距離砲探しへ本気です」と語る。

 野球評論家の張本勲氏は週刊ベースボールのコラムで、「就任当初、私は立浪には3年の猶予期間を与えてほしいと思った。いきなりの優勝を期待したファンも多かったようだが、私はそれは虫が良過ぎると考えていた。今の中日を変えるには3年はかかる。立浪監督はいつか自分が監督をするのだと長い期間、ネット裏で勉強を続けてきた。この1年は理想と現実の違いを痛感しただろう。我慢の連続だったと思うが、若い選手たちも投打で出てきており、来季への手応えは感じているのではないか」と綴っている。

 高橋宏斗、岡林勇希、土田龍空と若手たちは芽を出している。中日の未来は決して暗くない。足りないピースを埋める強打者の助っ人を獲得することができるだろうか。

写真=BBM