肝が据わっている背番号25



来季は四番の座を全うしたい岡本

 V奪回に燃える巨人の新主将に、岡本和真が就任した。

 本拠地・東京ドームで11月23日に開催された「ジャイアンツ・ファンフェスタ 2022supported by DAZN」。閉会のセレモニーで、原辰徳監督が「8年にわたってキャプテンを引き受け、チームを牽引してきた坂本勇人が卒業することになりました。2023年度、新キャプテンは岡本和真!」と指名。続けて「副キャプテン、吉川尚輝。投手キャプテン、戸郷翔征。この3人で大きな目標に向かって戦って参ります」と宣言した。

 岡本は肝が据わっている。第一声で「何度も失礼いたします」と、原監督の挨拶をマネて張り詰めた空気をやわらげた。そして、「来季からキャプテンを務めます、岡本です。今年はファンの方も僕たちも、めちゃくちゃ悔しい思いをしました。来年は絶対に優勝します。応援よろしくお願いします」とファンに誓った。

 精神的支柱として、長年チームを引っ張ってきたのが坂本だった。2015年から8年間主将を務めてきた姿を岡本も間近に見てきた。今までは坂本、丸佳浩、中田翔と先輩たちに引っ張られた部分もあったが、主将に就任することで見える景色、責任感が変わってくる。雄弁な言葉や強いリーダーシップで引っ張るタイプではないが、周囲を俯瞰してチームを同じ方向に導く能力は備わっている。

期待されるのは「不動の四番」


 もちろん、期待されるのは「不動の四番」として全試合出場することだ。昨年は夏場に打撃の状態が上がらず、8月11日の中日戦(バンテリン)で六番に降格。巨人OBで野球評論家の廣岡達朗氏は週刊ベースボールのコラムで、こう指摘している。

「岡本を六番に下げた以上、担当コーチも二人三脚で悩めばいいではないか。『お前にはセンスがあるから、こうして打て』と具体的なアドバイスを送れば岡本は打つ。岡本の欠点は何か。球を待ってストライクが来たら打つのではなく、上体でタイミングを合わせにいく。長嶋茂雄は丸佳浩に『腹でタイミングを取れ』と教えた。腹だろうが腰だろうが、重心でタイミングを取ればいいのだ。上体でタイミングを取ったら手打ち。そういうことを岡本に教えていないため、センスがあってもなかなかバットに当たらない。巨人が教えているのはヤマ勘打法。岡本を見ていたら今日の狙いは変化球か真っすぐかが一発で分かる。変化球を待っていたらボールでも何でも振りにいく。だから球に踊らされてしまうのだ」

選球眼を磨いて


 勝負どころのシーズン終盤も四番に復帰することなく、チームも5年ぶりのBクラスに低迷。140試合出場で打率.252、30本塁打、82打点は満足できる数字ではない。5年連続30本塁打以上をマークしたが、ヤクルト・村上宗隆は日本選手記録の56本塁打を記録。昨季は39本塁打でタイトルを分け合ったが、今季は26本の大差をつけられた。20、21年と2年連続本塁打、打点の2冠王に輝いているだけに、期する思いは強いだろう。

「岡本の打撃の状態を図るバローメーターは選球眼だと思います。良いときは好球必打できっちりストライクゾーンの枠内の球を打っているが、快音が止まるとボール球を追いかけてしまう。村上がリーグトップの118四球に比べ、岡本は半分以下の58四球と少ない。相手バッテリーは警戒するので、いかにボール球を振らないか。四球が増えることでチャンスメークできるし、得点力も上がる。選球眼が良くなれば、好不調の波も少なくなる。打ち出したら止まらない選手なので、50本塁打を狙えると思います」(スポーツ紙記者)

 主将として臨むプロ9年目の来季は、最高のシーズンにしたい。

写真=BBM