今季2度目の1試合3本塁打



8月27日のオリックス戦では20号ソロを放ったポランコ

 首位のオリックスとのゲーム差が10.5と開いてしまった2位・ロッテ。直接対決となった26日の一戦では延長12回の末に0対0の引き分け。オリックスにマジック24が点灯した。エース・佐々木朗希が左脇腹肉離れで戦線離脱し、8月は9勝14敗1分と失速気味だが、パ・リーグの灯を消さないためにもここが正念場だ。暑い夏場に打者は真価を問われる。本塁打量産で輝きを放っているのが、グレゴリー・ポランコだ。

 23日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で、1試合3本塁打をマーク。3回に先発の有原航平から17号先制ソロを放つと、2点差を追いかける7回に18号ソロ、6点差に突き放された9回も来日初登板となった変則左腕・ダーウィンゾン・ヘルナンデスから19号ソロを放った。3発はいずれも右翼席に着弾。打った瞬間にアーチと分かる打球だった。7月16日の楽天戦(ZOZOマリン)でも1試合3本塁打を記録しており、シーズン2度の1試合3発は、1985年の落合博満以来38年ぶり球団史上4人目の快挙。5対9で敗れたため空砲となり、試合後のポランコに笑顔はなかったが、相手バッテリーは対策に頭を悩ますだろう。

 他球団のスコアラーは「ストライクからボール球になる変化球を見極められるようになり、甘い球をきっちり捉えている。左腕を苦手にしているイメージだったのでフェルナンデスから打った一撃は驚きました。爆発力がある選手なので調子に乗らせないようにしないと」と警戒を強める。

8月は好調をキープ



8月23日のソフトバンク戦では1試合3本塁打をマーク

 メジャー通算96本塁打、98盗塁の実績を引っさげて巨人に入団した来日1年目の昨季は、打率.240、24本塁打、58打点。クリーンアップで期待されたが確実性に課題を残し、勝負の夏場以降はスタメンから外れることが珍しくなかった。外野の守備範囲が狭かったこともネックに。巨人が契約延長を見送った中で、得点力不足解消へ獲得に乗り出したのがロッテだった。

 主に指名打者で出場し、守備の負担がなくなったことが打撃に好影響をもたらしている。春先は打率1割台と状態が上がってこなかったが、気温の上昇と共に快音を響かせている。8月は24試合出場で月間打率.304、8本塁打、19打点と好調をキープ。21本塁打でトップの浅村栄斗(楽天)に1本差に迫り、逆転でタイトル奪取を狙える位置につけている。

ロッテでは落合以来の本塁王となるか


 12球団を見回すと、助っ人外国人が期待どおりに稼働しているケースが少ない。パ・リーグの外国人野手で規定打席に到達している選手は、ポランコとデビッド・マキノン(西武)の2人のみ。日本人投手のレベルが上がったことで、異国の地で活躍するハードルが上がっている。

 スポーツ紙記者は、「ポランコは来日2年目で日本の野球にアジャストする感覚をつかみつつある。振り回さなくてもきっちりコンタクトすれば、打球はスタンドを越える。あの長打力は大きな魅力です。指名打者が固定できず、迫力不足に悩んでいる球団は少なくない。今オフは複数球団で争奪戦の可能性があると思います」と分析する。

 もちろん、来季もロッテに残留する可能性は十分にある。チームメートと談笑するなどすっかり溶け込み、愛称「エルコーヒー」を熱唱する応援歌も大のお気に入りだ。治安が良い日本の生活を気に入っており、1年でも長くプレーしたい気持ちは強いだろう。

 ロッテは落合が打率.360、50本塁打、116打点で三冠王に輝いた86年以来、本塁打王が出ていない。ポランコが今後も本塁打を量産してタイトルを獲得するような活躍を見せられるか。負けられない試合が続く中、「エルコーヒー」の打棒に期待がかかる。

写真=BBM