ドラフト会議を約10カ月後に控え、NPB各球団は前年実績を基にして、リストアップしている段階である。「新年版」として番付編成するが、シーズンインすれば、新たな候補選手がアピールしてくるだろう。2022年もスカウト戦線から目が離せない。


■2022ドラフト番付【新年版】※△は投手は左投げ、野手は左打ち

ライバルの存在が支え


 最高位の東横綱に配置したのは日体大・矢澤宏太である。投げては最速150キロ左腕、外野手としては50メートル走5秒8を武器に、打席でもシュアな打撃を披露してきた。首都大学リーグでは2年秋に外野手、3年秋は投手としてベストナイン受賞。3年春以降は先発投手の1回戦で打席に立ち、2回戦では外野手で出場と「リアル二刀流」として注目を浴びる。


日体大・矢澤はエース左腕、そして左打席ではポイントゲッターとして活躍。首都大学リーグにおいては投手、外野手でベストナイン受賞キャリアがある[写真=藤井勝治、田中慎一郎]

 西横綱は大阪ガスの151キロ右腕・河野佳だ。広陵高3年春のセンバツで150キロを計測し、NPBスカウトもリストアップ。河野もプロ志望を視野に入れたが、上位指名を目指すために大学進学(4年間)ではなく、3年で解禁される社会人を選んだ。入社2年目の昨季は社会人日本選手権を19回無失点で、2大会連続優勝に貢献してMVP受賞。都市対抗1回戦でも完封と、公式戦で6勝無敗、43イニングで自責点1と圧巻の投球を披露した。2021年の社会人表彰で投手部門のタイトル3冠と、22年のドラフト解禁へ最高のアピールとなった。モチベーションの一つは、ライバルの存在。同世代で19年の高校日本代表(河野は候補選手も代表漏れ)でプレーした星稜高・奥川恭伸(現ヤクルト)、大船渡高・佐々木朗希(現ロッテ)、興南高・宮城大弥(現オリックス)らに対抗心を燃やす。


大阪ガス・河野は昨年の社会人野球表彰でベストナイン、最多勝利投手賞、最優秀防御率賞と投手タイトルを総なめにした[写真=榎本郁也]

 大関は4人。まずは、大学野手2人をリストアップする。早大・蛭間拓哉は左のスラッガーで、浦和学院高3年時には大阪桐蔭高・藤原恭大(現ロッテ)、根尾昂(現中日)、報徳学園高・小園海斗(現広島)らと高校日本代表でプレーした。東京六大学では現役最多の10本塁打の長打力に加え、50メートル走6秒1の俊足だ。


早大・蛭間は現役最多の10本塁打[写真=山田次郎]

 立大・山田健太は大阪桐蔭高時代に根尾、藤原らと2年春、3年春夏の甲子園優勝を経験。大学でも1年春からキャリアを重ね、3年秋までに現役最多の62安打を放っている。高校の先輩・浅村栄斗(現楽天)を理想像とする「右の強打二塁手」だ。


立大・山田は現役最多の62安打を放っている[写真=田中慎一郎]

 大関のもう2人は、社会人の即戦力左腕を配置。ホンダの148キロ左腕・片山皓心は桐蔭横浜大から入社した昨年からエースとしてチームを支え、ゲームメーク能力に長けている。ENEOSの147キロ左腕・加藤三範はマウンド度胸が抜群だ。


高松商高・浅野は昨夏の甲子園3回戦[対智弁和歌山高]で本塁打。高校生野手で抜群の打撃センスを見せ、昨秋以降は左打席にも挑戦している[写真=高原由佳]

 関脇には高校NO・1スラッガーで、左打席にも挑戦している高松商高・浅野翔吾に注目。昨年12月の都市対抗初優勝に貢献した東京ガスの153キロ右腕・益田武尚は、北九州市立大4年時はプロ志望届提出も指名漏れ。社会人1年間で、心身とも成長している。大学生投手では白鷗大の151キロ左腕・曽谷龍平、富士大の右腕・金村尚真のノビシロに注目。


高校生投手で実績トップは京都国際高の左腕・森下。昨夏の甲子園では4強へ導き、左打席では非凡な打撃センスを見せる[写真=田中慎一郎]

 昨夏の甲子園で4強進出に貢献し、高校生で最も経験値が高い京都国際高の左腕・森下瑠大。また、強肩強打捕手の大阪桐蔭高・松尾汐恩は今春のセンバツ出場が確実であり、大舞台でのプレーから目が離せない。