◆残り約1分で8点差、過去20シーズンで勝率1%未満という試合をひっくり返す

 11月24日(現地時間23日)に行われたシャーロット・ホーネッツとシカゴ・ブルズによる試合は、今季最高ともいえる劇的な幕切れとなった。

 第4クォーター開始時点で、リードしていたのはホーネッツ。ホームのスペクトラム・センターに集まった1万7,891人の大歓声を背に、74−69と5点をリードしていたのだが、ここから両チームによる激しいスコアリングバトルがスタート。

 ホーネッツはマリーク・モンクやマイルズ・ブリッジズ、テリー・ロジアーの追加点で残り10分47秒で12点差(81−69)にしたものの、ブルズがエースのザック・ラヴィーンを中心に巻き返していく。

 ラヴィーンは3ポイントにダンク、レイアップを次々に沈めていき、コービー・ホワイトとウェンデル・カーターJr.も加点。ホーネッツも負けじとマービン・ウィリアムズやコディ・ゼラーのショットでリードを許さず、ホーネッツ優勢のまま試合は終盤へ。

ホーネッツをけん引するロジアーは、ブルズ戦で28得点をマーク[写真]=Getty Images

 残り45.4秒。ビスマック・ビオンボのダンクが決まり、ホーネッツが8点差をつけた時点で、通常であれば勝敗の行方は決まったも同然。だがこの日のブルズはラヴィーンが残り40.7秒と25.7秒に長距離砲をヒット。残り17.2秒にホワイトのレイアップも決まり、3点差へと持ち込む。

 するとホーネッツはデボンテ・グラハムがフリースロー2本を着実に沈めて残り14.7秒で5点差へと広げた。過去20シーズンというもの、第4クォーター残り1分で8点ビハインドを背負ったチームが勝利を収めたケースは1万5,266チームのうちわずか9チーム。勝率にしてたったの0.059パーセントという絶望的なデータがあったものの、ブルズは劇的な形で試合をひっくり返してみせた。

 残り8.0秒にトーマス・サトランスキーの3ポイントが決まって2点差とすると、ホーネッツのスローイン後、グラハムにトリプルチームで襲い掛かり、ホワイトが値千金のスティール。

 その後ボールを手にしたラヴィーンが右45度付近まで持ち込み、フェイドアウェイ気味に3ポイントを放つ。これが見事にリングをくぐり抜け、残り0.8秒にブルズが逆転。ホーネッツ最後のスローインをカーターJr.が奪い、ブルズが最終スコア116−115で劇的な勝利を飾ったのである。

◆「この勝利が僕らにとってターニングポイントになるといいね」とラヴィーン

 この貴重な勝利の立て役者はラヴィーン。第4クォーターだけで7本の3ポイント成功を含む圧巻の27得点をたたき出し、キャリアハイの49得点。フィールドゴール28投中17本、うち3ポイントは17投中13本を成功。3ポイント成功率76.5パーセントという驚異的な確率でリングを射抜いたほか、フリースロー2本も着実に決めてみせた。

 残り約1分で8点ビハインドを背負ったシーンについて、ラヴィーンは「もうやってらんねーって気持ちが強かった」と振り返るも、「もう俺がゲームをひっくり返してやる、と思ってやったら本当になったんだ。一度ショットを放ってからは間違いなく入ると確信してた」と手ごたえありだったと明かしていた。

 もっとも、ラヴィーンは勝負どころにおけるプレーに自信を持っていたという。

「前から言ってることだけど、俺たちは試合終盤でもいいプレーができているんだ。(今夜は)勝負どころで自分たちのプレーを完璧に遂行できたということ。もちろん、今夜の勝利は多少の運もあったから、そのことには感謝してるよ。このエナジーをキープして、次の試合にも持ち込みたいね」とラヴィーン。

 この日ラヴィーンが放り込んだ3ポイントは13本。これはステフィン・カリーと並んでレギュラーシーズンとしては歴代2位タイとなる成功数。歴代最多はクレイ・トンプソン(共にゴールデンステイト・ウォリアーズ)が保持する14本だが、ラヴィーンはリーグ史上最高級のシューターコンビの快記録に割って入ったことになる。

13本もの3ポイントを成功させたラヴィーン[写真]=Getty Images

 痛恨のターンオーバーを喫したグラハム(18得点10アシスト)は「ただただタフなこと。タフな負けだ。特に僕にとってはね。あの状況でターンオーバーを犯してしまったんだから。でもザックはとんでもないショットを決めてみせたんだ。あれには脱帽するしかないね」とお手上げだった。

 この勝利でブルズは6勝11敗。ホーネッツと並んでイースタン・カンファレンス10位タイとなった。「この勝利が俺たちにとってターニングポイントになるといいね。どんなチームでも好転するきっかけというものがあるんだ。俺たちにとって、これが正しい方向へと突き進む大きなステップになるかもしれない」とラヴィーンは上機嫌に語り、勝利を喜んだ。