今回からスタートする新企画「美チア大集合!」はBリーグ各チームのチアリーダーの方にご登場いただくもの。インタビューではチームやアリーナはもちろんのこと、チアリーダーの方のパーソナリティーにも迫ります。また、チアリーダーだから知っている“ご当地ネタ”も要チェックです。その記念すべき第1回にご登場いただくのは、千葉ジェッツふなばし(以下:千葉ジェッツ)のフライトクルーリーダーズ STAR JETSのメンバー、Ayumiさん。ご存知の方も多いと思いますが、Ayumiさんは日本のプロスポーツ界では初めてチーム運営会社と専属マネージメント契約を結ばれたチアリーダーなのです。「日本だからこその“おもてなし”の心でブースターの皆様と盛り上がりたい」とおっしゃるAyumiさん。とても興味深い話を聞くことができました!

インタビュー=入江美紀雄
写真=山口剛生、新井賢一

――それでは自己紹介からお願いします。
Ayumi 2017-18シーズンが開幕するとSTAR JETSに所属して3年目になります。Ayumiです。

――チアダンスを始めたのは高校に入ってからとか。
Ayumi 小学校2年生からクラシックバレエを始めて、その後ジャズダンスなど、いろんなジャンルのダンスを習いました。中学3年の時、たまたま行った高校の学校説明会で、チア部の先輩方がダンスを披露してくださったのですが、それを見て「あ、これだ!」って感じたのがきっかけです。その後、無事その高校に合格して志望校に進むことができました。

――高校にチア部があるのは珍しいのでは。
Ayumi 確かにチア部がある高校は少ないと思います。でも高校の部活ですから、先輩後輩の決まり事もありました。ただ、みんなすごく上を目指していて、やる気のない人は誰もいませんでした。私たちのチームは昔からの伝統で全員がレギュラーなのです。ですから大会に出れない人はなく、部全体で練習を積んでいきました。

――特別に覚えていることはありますか。
Ayumi 夏休みもほぼ毎日練習があり、お休みはお盆ぐらいでした。今でもよく覚えていますが、8時半に集合で9時に練習がスタートするで、みんな7時半ぐらいには来てウォーミングアップを始めるのです。1年生の時はその前に体育館の掃除などの準備をしなければいけないので、7時には体育館に入っていました。そして、下校が19時。つまりほぼ12時間、学校で練習していたことになります。

――高校卒業後は?
Ayumi 大学に進学しました。個人的にチアの練習をしていましたが、3年になって周りのみんなと同じように就活をスタートさせて。4年になり何とか内定をいただき、卒業と同時にお勤めを始めました。

――それではどのような経緯で千葉ジェッツのチアリーダー(STAR JETSの一員)になられたのですか?
Ayumi 船橋アリーナに千葉ジェッツの試合を見に行ったのがきっかけです。就職したらチアも卒業するつもりでしたが、その試合を見て、感銘を受けました。実は高校が女子校だったので、野球やサッカーの試合の応援はしたことがありませんでした。もちろんNBAやNFLの試合をYoutubeで見ていたので、チアリーディングがどのようなものかは知っていましたが、基本、チアリーダーが選手よりも前に出ることはないんです。しかし、そこでは選手が使っている、プレーをしているコートのど真ん中でチアリーダーにだけスポットライトが当たっていたのです。しかも、それを楽しみに会場に足を運ばれているブースターもいらっしゃる。アリーナに足を踏み入れなければわからない”非日常空間”がそこには広がっていました。久しぶりにチアリーダーのパフォーマンスを見たこともあって、感動して涙が出たのも覚えています。すぐに思い立って、次のオーディションはいつなんだろうって、それこそ毎日パソコンでチェックしていたぐらいなんですよ。

――それが3年前になるわけですね。そうして、STAR JETSの一員になられるわけですが、実際にコートに立って気がついたこともあったのでは?
Ayumi 一番びっくりしたのはブースターの皆様との距離感です。コートサイドの席にいる方には手を伸ばせば触れる位置にいらっしゃいます。ですから、皆様の表情がばっちりと見えますし、声も聞こえてきます。私たちは試合中、ゴールわきのコーナーのところで声援を送っているのですが、シュートが決まって点数が入ると、私たちのところに来てハイタッチしていかれる方もいます。本当に一体感があって、とても楽しい雰囲気です。

――特に千葉ジェッツのブースターは熱い方が多いことで知られています。
Ayumi チーム創設当初から応援してくださっています。ブースターの皆様はどんなに大差で負けていても常にモチベーションを維持して応援を続けられます。本来は私たちがリードしなければいけない時でも、ブースターの皆様が率先して声を出していただいく場面もあるくらいなんです。もちろんチアが応援しただけでは勝てないのはわかっています。でも、私たちと一緒にブースターの皆様で勝てる雰囲気は作れるのです。本当にありがたいと思います。

――このあたりが船橋アリーナ独特の雰囲気を作り出している理由なのですね。
Ayumi よくメンバーで話をするのですが、私たちのこだわりは、「勝てる雰囲気を作る」ことです。私たちが踊ることによってアリーナの空気が変えられるかもしれないですし、試合が少し嫌な流れになった時に、私たちが声を出すことによって、「そうだ! やらなきゃ!!」と思って声を出してくださるブースターの方がいるかもしれない。1人、2人、3人というように声が大きくなって、それが選手の後押しにつながるとなると私たちは信じています。この雰囲気を作ることがSTAR JETSの最大のテーマであり、目標・目的ではないかと思っています。

――ブースターの一体感は本当にすごいと思います。
Ayumi ありがとうございます。基本的にコールは「ゴージェッツ、ゴージェッツ」ですが、試合状況やブースターの皆様の“ノリ”に応じてスピードを調整しています。また、アリーナでは様々なポジションから声出しをしていただいていますが、どうしても声がずれたりします。それを調整するのも私たちの仕事で、メンバー同士のアイコンタクトでずれを修正して、一体感を出すように心がけているのです。

 

――6月29日、千葉ジェッツと専属マネージメントの契約締結を結ばれました。チームの運営会社直属のチアリーダーの専属マネージメント契約は日本プロスポーツ界では初の試みというお話ですが。
Ayumi 日本だけでなく、世界的にもチアリーダーだけで食べていくことはなかなかできないのが現実です。みんな少なからず何かをやりながらのチアリーダーをしています。そのような環境を現役のチアリーダーとして、最終的に自分はどうなっていけばいいのか、実は悶々と考えていました。年齢的に上がってくると、次の選択肢は当然狭くなっていきます。そんな時、専属契約のオーディションをするというお話をうかがいました。

――STAR JETSのメンバーになられた時のように積極的にオーディションを受けたのですか?
Ayumi プロデューサーの松田華衣さんやディレクターの山城なつみさんにも相談しました。特にSTAR JETSのメンバーの中で専属契約を結ぶ人とそうでない人ができてしまう。その中で今まで通りの雰囲気でやっていけるかとか、チームとしてモチベーションを保てるかなどお話させていただきました。ただ、私にはチアリーダーを職業にしたい、チアリーダーの世界をもっとたくさんの人に知ってほしいっていう思いがまず大前提としてありました。「こんなに素敵な世界があるよ」ということをもっと多くの人に知ってほしいっていう思いが一番強くあり、私がチアリーダーを職業にすることで、チアリーダーの世界を伝えたいという信念でしょうか。それが後押ししてくれたと思います。

――これまで日本で活躍した方がNBAやNFLで活躍されたケースもありました。
Ayumi 日本のチアの方が海外で活躍されるケースは多々あります。でも私は「日本のチアリーダー、すっごくいいよ」というのも伝えたいと思っています。BリーグにはSTAR JETSだけでなく、ほかにも素晴らしいチームがあります。そこではブースターの方と丁寧に接したり、独りよがりではなく日本人らしい振る舞いがあると思うのです。“おもてなし”と表現すればいいのでしょうか。それが日本人のチアにもあって、それが素晴らしい点だと信じています。いつかは海外の方が「日本でチアをしたい、学びたい」と言って来日するようになればいいですね。

――海外では、チアリーダーは子どもたちのあこがれの対象と聞きます。
Ayumi 特にアメリカのチアの皆さんはしっかり勉強やお勤めをしながらやられているのでロールモデル(模倣する価値のある人)として人気も高いですね。子どもたちだけでなく、多くの人たちから尊敬される存在で、知名度も高い。このような環境を日本でもいち早く作り出したいと思っています。

――(千葉ジェッツの)島田慎二代表は「どんどんイベントに参加してもらう」とおっしゃっていました。
Ayumi 元々千葉ジェッツはイベントが多いチームなので、これまでも様々なイベントに参加してきましたが、これからはこれまで以上に皆様の前に立たせていただくことも増えると思います。先程もお話したようにチアリーダーの存在を知っていただきたいので、そのためにもどんどん活動をしていきたいと思っています。

――専属契約を結ばれて生活に変化はありますか?
Ayumi STAR JETSのメンバーはチームで行っているチアリーディングスクールの講師をしているのですが、「STAR JETSがしているこういう技をやりたい」、「どういうふうに練習したらいいですか?」、「STAR JETSが踊っていたあの曲なんですか?」など、生徒さんやそのお母さまたちから質問を受けることが多くなりました。それに伴い触れ合う機会も増えて、自分のモチベーションアップにつながっています。

――それではブースターの皆さんにメッセージをお願いできますか。
Ayumi 2017-18シーズンもSTAR JETSの一員として皆様と一緒に大好きなチームを応援できることを本当にうれしく思っています。ただ、チームもそうですが、これまでと同じことをやっていては同じ結果にしかならないと思いますので、私たちも来るシーズンにかける思いはとても強いですし、やらなきゃいけないことは着々と始動させています。また、まだ千葉ジェッツの試合を船橋アリーナでご覧になったことがない方がいらっしゃれば、まずは1回、船橋アリーナにお越しください。絶対「楽しい!」と思っていただける自信を私たちは持っています。絶対に損はさせません!! ぜひ一度船橋アリーナに足を運んでいただければと思います。

――最後にチアだから知ってるアリーナ周辺情報があったら教えてください。
Ayumi グルメ情報とまでは言えませんが、私たちが試合後や練習後にご飯を食べに行くのは北習志野駅(新京成電鉄、東葉高速鉄道)や西船橋駅(JR、東京メトロ東西線、東葉高速鉄道)駅周辺が多いです。駅前でもチェーン店ではなく、個人経営の小さなお店が多く、特に何も決めないで、「ここ入ってみる?」みたいな感じでお店を決めても、ハズレがないのです! 試合の前は食事の量をコントロールしなければいけないのでみんなで食事ということはないのですが、日曜日、特に試合に勝った後なら、このあたりで私たちと遭遇することも可能かもしれませんよ(笑)

千葉ジェッツ 島田慎二代表に直撃!

日本スポーツ界初の試みであるチアリーダーのチーム専属契約。これまでもいくつもの施策を試み、バスケットボール界に衝撃を与えてきた千葉ジェッツ 島田代表。その生みの親でもある島田代表に“専属チアリーダー契約”の誕生秘話をうかがった。

――専属チアリーダー契約は日本スポーツ界では初の試みとうかがいました。なぜこのようなことをやろうと思われたのですか?
島田 アイディア段階から約2か月で実現させました。もともと私たちのチームは、選手であれ、スタッフであれ、もちろんチアリーダー、マスコットに至るまでキャラ立ちをさせようという基本コンセプトを持っています。実はモッパーもそうで、「うちの高速モッパーガールはすごいでしょ!?」という感じで打ち出したいと思っているぐらいなんです。そして、彼女たちが東京オリンピックのコートに立ったら素晴らしいなと。話がそれましたが、チアの協会の方から「ジェッツさんで専属マネージメント化はどうでしょう」と相談を受けた時、「ではやりましょう!」と即決でした。“初”というキーワードもいい。契約形態はどうするかとか、細かい話はおいおい決めていった感じです。

――実際どのような活動をしていく予定ですか?
島田 一番は試合会場でのパフォーマンスですが、これまでほとんどのチアが仕事と掛け持ちだったので、平日の昼間のイベントには参加できませんでした。しかし、これからは全く心配がありません。地域密着での活動を考えれば、そのアプローチは大きく広がりますし、スポンサー回りもできます。予定では3名と専属契約を結ぶ予定ですので、選手1人がセンターに立って、その脇を固めれば見栄えも良くなりますよね。そのほかグッズも作る予定ですし、メディアへの露出も積極的に協力していきます。握手会も考えられますが、もうこれはミニマムなもの。どんどん活動の場を設けていきます。

――将来の展望はお持ちですか?
島田 ほかの競技とのコラボもいいですね。バスケットのオフシーズンにNBPの千葉ロッテマリーンズの試合で一緒にパフォーマンスするのも面白いと思います。将来的には15名、全員マネージメント契約できればと思っています。日本だけでなく世界のトップレベルのチアを集めて、「チアリーディングするならジェッツに行きたい」と言っていただけるような環境作りも目指したいですね。