「うちのように“奥手”なチームが夏のインターハイに勝てるとは特別の思いがある」と試合後語ったのは岐阜女子高校(岐阜県)の安江満夫コーチ。奥手という意味は「能力のあまり高くない選手をじっくり育て上げるのがうちのスタイル。だからいつもはウインターカップまでかかってしまう」(安江コーチ)ということだ。

 平成29年度全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会(インターハイ)女子決勝は岐阜女子が桜花学園高校(愛知県)を61−55のスコアで破り、インターハイ初優勝を果たした。全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)では過去2015年に優勝しているものの、インターハイではまだ優勝に手が届いてなかった。

 岐阜女子を夏の王者に導いたのはバイ・クンバ・ディヤソンだ。クンバは40得点・28リバウンドをたたき出し、粘る桜花学園を突き放した。

 「(クンバが)うまくなっていた。あれでは1人では守れない」と、桜花学園の井上コーチも脱帽。「ゴール下でポストアップされた時、裏パスで得点されるなと指示をしたにもかかわらず何本もやられてしまった。さらにただポストにボールを入れるだけではなく、ドライブからの合わせなど、攻撃パターンも増えていてた」とお手上げ状態だった。

 「(安江)先生からは『リバウンドもがんばれ』と普段から言われています。今日は得点も含めてそれができたかな」と、クンバは笑顔で振り返った。

 それでも桜花学園は後半は山本麻衣のどんなに苦しい体勢からもねじ込むシュートや高い運動能力を生かした藤本愛瑚の1対1で反撃。第4ピリオド残り5分52秒に同点に追いつく。そこから一進一退の展開となるが、残り時間3分を切った後、岐阜女子は桜花の得点を山本の3Pシュート1本に抑え込み、そして歓喜の時を迎えた。

 敗れた桜花学園の山本は「後半、集中力が続かずドライブでやられました」と反省。ウインターカップに向けては、「個人的にはゲームの組み立て方をしっかりやりたい。それを全員に共通理解させて、チーム力アップに努めます」と、冬に向けて気持ちを切り替えていた。

 一方、岐阜女子のキャプテン石坂は「東海総体で優勝しましたが、桜花学園に2点差まで詰められて。今までの練習では追いつかれると、それを意識しながらチームメイトに声がけをしてきました」と振り返る。「インターハイ優勝は意識していました。昨年、ウインターカップの決勝で負けた悔しさは忘れません。それを晴らすのは全国の舞台で勝つしかないので」(石坂)。

 高校3冠の初戦、インターハイは岐阜女子に凱歌があがった。この後、愛媛国体を経て、12月のウインターカップでこの両チームが雌雄を決することになるだろう。インターハイを経験したことで高校生はここからの成長が著しくなる。ウインターカップでの“決戦”が今から楽しみだ。