◆“メイルマン”として毎晩ジャズに得点とリバウンドを安定して供給してきた男

 ユタ・ジャズのパワーフォワードとして18シーズン、現役最後のシーズンにロサンゼルス・レイカーズでプレーしたカール・マローン(元ジャズほか)は、NBA史上有数のタフガイだったと言っていいだろう。

 来る日も来る日も安定してリングへショットを放り込むことから“メイルマン(郵便配達人)”の愛称で親しまれたマローン。ジャズでプレーした18シーズンのうち、キャリア中盤からトップスコアラーとしてプレーしてきたにも関わらず、欠場したのはわずか10試合のみ。ジャズでは平均37.3分25.4得点10.2リバウンド3.5アシスト1.4スティールにフィールドゴール成功率51.7パーセントという高確率を残した。

 特に司令塔ジョン・ストックトン(元ジャズ)とマローンによるピック&ロールは、基本に忠実ながらお互いに「相手を見なくてもどこにいるか分かる」と語るほど、阿吽の呼吸で決まり、15年以上に渡ってジャズを支え続けた。

 1997年と99年にシーズンMVPを獲得したマローンは、14度のオールスター選出(うちMVPは2度/93年はストックトンとのダブル受賞)、14度のオールNBAチーム、4度のオールディフェンシブチームに選ばれ、2010年にバスケットボール殿堂入り。

 通算3万6928得点はNBA歴代2位、1万4968リバウンドは同7位、1476試合出場は同6位、出場時間5万4852分は同2位という数字を残しているほか、フィールドゴール試投数(2万6210本)と成功数(1万3528本)はいずれも歴代2位、フリースロー試投数(1万3188本)と成功数(9787本)は堂々1位となっている。

 ルイジアナ工科大学時代からウェイトトレーニングを始めたマローンは、206センチ113キロという屈強な肉体を自ら作り上げ、豊富な走り込みによって健康な状態をキープ。ケガに強い選手としても知られた。

◆ウェバー、コールマン、バークリーを名指しして「才能に恵まれていることは、成功をつかむとは違うからな」と発言

 5月21日(現地時間20日、日付は以下同)。そのマローンが“Pardon My Take”に出演し、これまでのキャリアで対戦してきた中で自身よりも才能に恵まれていた選手たちを挙げていた。

「カール・マローンという選手よりも才能に恵まれていた男たちを教えよう。クリス・ウェバー(元サクラメント・キングスほか)、デリック・コールマン(元ニュージャージー・ネッツほか)、そしてチャールズ・バークリー(元フェニックス・サンズほか)だ。彼らは俺を上回る才能を持っていた。俺よりもいい仕事をすることはなかったがね」。

 ウェバー(206センチ111キロ)、コールマン(208センチ104キロ)はそれぞれドラフト全体1位指名された選手で、マローンと同等の肉体を誇り、平均20得点10リバウンド以上を複数回記録したことのあるビッグマン。

 バークリーは1984年のドラフト1巡目全体5位指名のパワープレーヤー。198センチ114キロと、身長面では小さかったものの、幼い頃に公園のフェンスを何度も跳び越えたことで身につけたクイックジャンプと持ち前の横幅とパワー、抜群のバスケットボールセンスを駆使して大活躍。

 キャリア16シーズンのうち、11シーズン連続で平均20得点10リバウンド以上を稼ぎ出し、マローンと共に地味だったパワーフォワードの概念を変えた選手でもある。背中のケガに悩まされ、キャリア終盤は欠場が多くなってしまったものの、93年にはシーズンMVPを獲得。キャリアを通してオールスター選出11回、オールNBAチーム選出11回というすばらしい実績を残し、2006年に殿堂入りを果たした名選手である。

 だがマローンは平均20得点10リバウンド以上を10シーズンでクリアしたほか、シーズン2000得点以上を12度も記録。シーズン2000得点は82試合フル出場したとしても、平均24.4得点以上を残さなければ達成できないという高いハードルだ。

「俺はこれまで、『彼は俺よりも才能に恵まれている』というフレーズを使うことはなかった。才能に恵まれていることは、成功をつかむとは違うからな」。

 マローンは歴代パワーフォワードの中でも群を抜いて高位安定した活躍を見せてきた選手なのは間違いない。そのマローンから見て、殿堂入りしているバークリーはまだしも、ウェバーとコールマンはすばらしい才能を活かしきれなかった、あるいは磨ききれなかったと映ってしまったのだろう。