◆「彼の成績を見てほしい。ジョーダンとチェンバレンのレベルにいるんだ」

 2018年にシーズンMVPを獲得したジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)は、パワーとスキル、シュート力を兼備したリーグ屈指のオフェンシブプレーヤー。

 今季もリーグトップの平均34.4得点に加えて6.4リバウンド7.4アシスト1.7スティールでロケッツをけん引しており、3年連続の得点王も確実視されているハーデンは、リーグ屈指の実力者としての地位を確立している。

 196センチ99キロのコンボガードは、シグニチャームーブと化したステップバックスリーを最大の武器とし、持ち前のパワーとテクニックを駆使したドライブでレイアップとフローターを沈める傍ら、平均11.8本ものフリースローを獲得しており、そのうち10.1本も沈めている(成功率86.1パーセント)。

 新型コロナウイルスの影響で3月13日(現地時間12日、日付は以下同)からNBAがシーズン中断後もコンディショニングに励んでおり、SNSで拡散された写真を見る限り、減量にも成功した。

 6月7日に地元メディア『Houston Chronicle』へ掲載された記事の中で、マイク・ダントーニHC(ヘッドコーチ)も「ジェームズと話したことで、彼が準備できているのは分かっている。彼はプレーするのが好きなんだ。きっと彼にとって最悪な事態というのは、バスケットボールを奪われることだろうね。この期間で再充電し、よりシェイプアップしたんだ。彼はものすごく燃えている。自身をベストプレーヤーの1人に押し上げるだろう。私も楽しみにしてるよ」と絶賛。

 今年2月に守護神であるクリント・カペラ(現アトランタ・ホークス)を放出し、ロバート・コビントンを獲得したロケッツは、シーズン中断前にデマーレイ・キャロルとジェフ・グリーンという2人のフォワードを獲得し、スモールボールで今季の第二幕へ臨む。

 現時点でロケッツは40勝24敗(勝率62.5パーセント)でウェスタン・カンファレンス6位ながら、4位のユタ・ジャズ(41勝23敗/勝率64.1パーセント)とはわずか1.0ゲーム差、3位のデンバー・ナゲッツ(43勝22敗/勝率66.2パーセント)とも2.5ゲーム差のため、レギュラーシーズンとして行われる8試合で大きく勝ち越せば、より高いシード順位でプレーオフをスタートさせることも十分可能。

 先日公開された『SportsTalk 790』による「The A-Team」には1994、95年に達成したロケッツ2連覇の立て役者となったアキーム・オラジュワン(元ロケッツほか)が出演し、ハーデンについてこのように評していた。

「あのポジションでチームを引っ張っていくのはとても難しいんだ。(ハーデンは)新たな次元に達しながら、快適にプレーできることを証明しているからね。彼の成績を見てほしい。彼はマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)とウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)のレベルにいるんだ」。

 NBA史上最多の得点王10度、歴代トップとなるキャリア平均30.1得点を残してきたジョーダン、1試合100得点をはじめ、数々の個人記録を保持するチェンバレンは、NBA史上でも屈指の実績を残してきたレジェンド。

 ハーデンは昨季、86−87シーズンのジョーダン(平均37.1得点)以来最高となる平均36.1得点を奪取。さらには32試合連続30得点以上をマークし、チェンバレン(65試合連続)に次ぐ歴代2位の快記録を達成してきただけに、歴史的なパフォーマンスを見せていると言っていい。

 フランチャイズ史上3度目の優勝を狙うロケッツのハーデンについて、オラジュワンは「ジェームズにチャンピオンになるための能力があることは疑いようもないこと。あとは時間の問題だと私は思う」と切り出し、「ジェームズ・ハーデンとプレーさせれば、誰だってうまくいくさ。信じられないほど完璧な選手だからね。彼は勝者であり、勝ち方を知っているんだ」と続けた。

 ロケッツにはハーデンのほか、ラッセル・ウェストブルックにエリック・ゴードン、PJ・タッカー、コビントン、ダヌエル・ハウスJr.やオースティン・リバース、ベン・マクレモアといった選手がおり、オフェンシブ・レーティング(100回のオフェンスにおける得点)はリーグ2位の113.8という爆発力を誇る。

 スイッチを多用してミスマッチを極力減らし、チームディフェンスを強化することで、ロケッツのチャンピオンへの道は着実に近づいてくるに違いない。