◆ウィザーズ加入を機にリーグ屈指の3ポイントシューターへと台頭した注目株

 8月27日(現地時間26日、日付は以下同)。NBAとNBA選手会(NBPA)はこの日開催予定だったプレーオフ ファーストラウンド3試合を延期することを発表。同日に選手たちはミーティングを行い、翌28日に理事会が開かれることとなった。

 そんな中、現地メディア『NBC Sports Washington』のチェイス・ヒューズ記者が、今季終了後に制限なしフリーエージェント(FA)となるワシントン・ウィザーズのダービス・ベルターンスへ複数チームが獲得に興味を示していると報道。

 リーグ屈指のシャープシューターとしての地位を確立したラトビア出身選手に対して、同記者はアトランタ・ホークス、フェニックス・サンズ、ニューヨーク・ニックスの3チームが筆頭候補に浮上していると報じた。『Spotrac』によると、ホークスは今オフに最もキャップスペースに空きがあるチームで、サンズは7番目、ニックスは8番目に余裕があるという。

 キャリア4年目の今季、ベルターンスはウィザーズで主にシックスマンを務め、ずれもキャリアハイとなる平均29.3分15.4得点4.5リバウンド1.7アシストをマーク。208センチ102キロというサイズから放たれる3ポイントは威力抜群で、成功率42.4パーセント(3.7/8.7)という高精度を誇り、“ラトビアン・レーザー”の異名を持つ。

 ディフェンダーとの距離が近くとも、ベルターンスは自らのタイミング、しかもクイックリリースで長距離砲を繰り出し、高確率で沈めることができる。また、キャッチ&シュートだけでなく、プルアップからも3ポイントを放り込むことができる点も魅力。

 昨年12月。『The Athletic』のデイビッド・オルドリッジ記者はNBAチームのフロントオフィスで働いた経験を持つ人物が「ベルターンスは今夏、おそらく2年契約で平均年俸は1,500万ドルから2,000万ドル(当時のレートで約16億3,500万円から21億8,000万円)になるだろう」と予想していたと報じていただけに、今季年俸が700万ドル(約7億3500万円)だった27歳は来季大幅な年俸アップになることが確実視されている。

 ウィザーズの選手で来季も契約下にいるのはジョン・ウォール、ブラッドリー・ビール、八村塁を含む11人のみ。今季終了後にFAとなるのはベルターンスに加えてシャバズ・ネイピアー、イアン・マヒンミ、ジェアリン・グラント、ゲイリー・ペイトン2世といった選手たち。

 だがウォールとビールの超高額契約の影響で、すでに年俸総額が1億300万ドル(約108億1500万円)を超えているため、ベルターンスと高額契約を結ぶことは厳しいというのが現状だ。

◆理想のシナリオは戦力アップが見込めるウィザーズと再契約か?

 ホークスはトレイ・ヤング、ジョン・コリンズにケビン・ハーターやディアンドレ・ハンター、キャメロン・レディッシュといった魅力的な若手に加え、リムプロテクターのクリント・カペラもおり、来季のプレーオフ進出を見据える注目チーム。

 サンズはエースのデビン・ブッカーを中心にシーディングゲームで8戦無敗を記録し、来季こそプレーオフ出場を達成したいと狙っている。ニックスはすぐさまリーグ上位の成績を狙えるチームではないものの、キャップスペースには余裕があるだけに、弱点である3ポイント改善の特効薬としてベルターンスをターゲットにしているのだろう。

 もっとも、昨年12月にベルターンスの代理人が『NBC Sports Washington』へ掲載された記事の中で「ダービスはワシントンD.C.で自信に満ちている。今のチーム状況は彼の能力を十二分に発揮できるからね。もし彼が来シーズンも残ったら、健康を取り戻したウォールと共に、ウィザーズは見ていて面白いチームになるんじゃないかな。ダービスはイースト有数のチームになると強く信じている。その点が彼にとって大きな魅力になると思う。勝利できるかどうかが大事なんだ」と話していることから、ウィザーズ残留の線も捨てきれない。

 また、ホークスにはコリンズやハンター、レディッシュ、サンズにはミケル・ブリッジズやキャメロン・ジョンソン、ニックスにはRJ・バレット、ジュリアス・ランドルといった選手が在籍しており、ベルターンスのポジションは埋まっているため、今季よりも多くのプレータイムを得ることができるかは微妙。

 となると、ベルターンスにとって理想のシナリオは、ウォールが復帰するウィザーズとある程度納得のいく年俸で再契約することではないだろうか。