2020−21シーズンの開幕を約1カ月後に控え、各地でプレシーズンゲームがスタート。宇都宮ブレックスは9月5日、6日に足利市民体育館にて2試合を実施した。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため入場制限がかかったものの、2日間とも観客を入れての開催。例年より長いオフシーズンを過ごしたのは選手だけではない。ファン・ブースターもこの日を待ちわびていたはずだ。今シーズンはマスク着用、座席の間隔を1メートル以上空ける、そして何より大きな声を出しての応援ができない中での観戦となる。それでも、久しぶりに会場の空気に触れ、選手たちと同じ空間にいれる喜び、一緒に拍手や手拍子ができる仲間と再会したファン・ブースターの目は、試合前からキラキラしていた。

 5日の試合は群馬クレインサンダーズを迎えての初陣。宇都宮はチームに合流した新加入のジョシュ・スコットが先発に名を連ねると、出だしからゴール下で存在感を放って計18得点11リバウンドの活躍。大型補強を図ったものの、まだチームが出来上がっていない相手を圧倒し続け、88−47で快勝した。

 続く6日の一戦では、B1の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと対戦。名古屋Dは昨シーズン17勝24敗と低迷したが、昨季滋賀レイクスターズでプレーした齋藤拓実、狩野祐介、ジェフ・エアーズの3名に加え、まだ合流できていないがオールラウンダーのレオ・ライオンズの獲得にも成功。今季の西地区をけん引し、リーグ優勝も狙えるとして期待がかかるチームだ。

 この試合で先に主導権を握ったのは、今シーズン初の実戦となった名古屋D。開始から狩野のミドルシュート、エアーズ、中東泰斗の3ポイントが決まりリズムに乗ると、齋藤を中心にテンポの速い攻撃を仕掛ける。さらには宇都宮の強度を上回る守備を披露し、第1クォーターを13−20で終えた。

 第2クォーター、立て直したい宇都宮はテーブス海が状況を打開する。厳しいマークを緩急をつけたドリブルで掻い潜ってレイアップで加点。一瞬、相手との距離が生まれるとすぐさま3ポイントを放ち、これも見事に沈める。この連続得点にこの日はベンチで静かに戦況を見つめていた安齋竜三ヘッドコーチも拍手を送った。同クォーター中盤以降もライアン・ロシター、スコットらが得点を伸ばした宇都宮は、前半終了時点でスコアを37−37のタイに戻した。

 後半開始早々、渡邉裕規の連続3ポイントで宇都宮が逆転に成功。9−0のランで抜け出し、守備でも相手に思うような攻撃をさせない。対する名古屋Dは中東、狩野の得点で踏ん張り、5点ビハインドで第4クォーターへ。しかし、最後の10分間は9本放った3ポイントが1本しか決まらず計7得点と失速。宇都宮は比江島慎の8得点などで計22得点を奪い、最後はスコットのダンクシュートで試合を締めた。

“開幕前の腕試し”という位置づけが強いプレシーズンゲームではあるものの、ホーム2連勝を飾った宇都宮。タイムシェアを図りながらも、この試合ではスコット(18得点)、比江島(16得点)、テーブス(14得点)、ロシター(12得点)が2ケタ得点をマークした。群馬戦では同じ20分弱の出場で5得点にとどまった比江島は、4本中4本の3ポイントを記録。「昨日はあまり入りませんでしたけど、今日は思いっきり打てましたし、しっかり修正できてよかったと思います」と、試合後のインタビューで振り返った。

「負けはしましたけど、3クォーターまでは非常にいいリズムでできました」と述べたのは、名古屋Dの梶山信吾HC。第1クォーターから披露した速い攻めと激しい守備、宇都宮・安齋HCの「名古屋さんの強度がすごく高かったのでいい勉強になりました」という言葉からも、開幕までにどんなチームに仕上がるのかが楽しみだ。

 なお、宇都宮は12日に秋田ノーザンハピネッツ、13日に仙台89ERSと、名古屋Dは12日と13日にファイティングイーグルス名古屋とのプレシーズンゲームが組まれている。

文・写真=小沼克年