2度のMVPに輝いた天才ポイントガード、スティーブ・ナッシュがブルックリン・ネッツの新監督に就任することを、一体誰が予想していただろうか。この意表を突く人選にも、同球団のゼネラルマネージャー(GM)を務めるショーン・マークスは、「我々は、スティーブがリーダー、コミュニケーター、そしてこのチームの選手たちからリスペクトを集めるメンター(助言者)になると確信しています」と語り、新監督に大きな期待を寄せている。

 しかし、ネッツはナッシュのヘッドコーチ就任以外にも、大きなサプライズを画策していた模様。それは、ナッシュの盟友であるダーク・ノビツキーをアシスタントコーチに迎え入れるというプランだ。

 ナッシュとノビツキーは、1998年から2004年までの6年間、ダラス・マーベリックスをともにけん引した仲。また、2人はプライベートでも交友があるため、ナッシュは新体制を築き、リーグの覇権を取るために、マブスのフランチャイズプレイヤーに声をかけていたという。

 だが、『NYT Sports』によると、ノビツキーは引退から間も無く、フルタイムでの現場復帰の準備ができていないという理由から、本職のオファーを辞退。ノビツキーは、毎日アイスを食べるほど、引退後の生活を満喫していることが報じられ、現在は家族たちと思い思いの時間を過ごしている。また、マブス一筋を貫いてきただけに、復帰するのであれば古巣に、という気持ちもあるのではないだろうか。

 これにより、ナッシュ、ノビツキーの名コンビ復活とはならず、躍進の立役者となったジャック・ボーンが、ナッシュの補佐を務めることとなる。

 ヘッドコーチの経験がないナッシュだが、ゴールデンステイト・ウォリアーズでコンサルタントを務めた経歴を持ち、その際にケビン・デュラントと深い信頼関係を築いたと言われている。また、プレースタイルは違えど、同じポイントガードとして、カイリー・アービングも大きな学びがあるに違いない。
 
 一方、ノビツキーがいないNBAが寂しいこともまた事実。いつかまた、今度は選手以外の立場で、2人が共演する日が来るのかもしれない。

文=Meiji