◆昨季の再現か!? 序盤リードを奪ったのは富士通だった

 9月18日、第22回Wリーグが大田区総合体育館(東京)で開幕。新型コロナウイルス感染拡大の影響で前回のレギュラーシーズンは2月23日の試合を終えた後、中断、そして中止となった同リーグ。それから約7カ月後、まだまだこれまでどおりの開催とはいかないが、バスケットボールの公式戦が日本に帰ってきたのだ。前売券がすべて売り切れた開幕戦は、入場の際は検温が行われ、手の消毒、マスクは必須。アリーナに入った後もソーシャルディスタンスが取られた座席が指定され、声を出した応援はできない。それでも会場に詰め掛けた熱心はバスケファンの多くは「ついにバスケが帰ってきた」とSNSで発信した。

 Wリーグでは今シーズンはコロナ禍の開催に向けて、様々な変更がなされている。その最たるものがWリーグ初となる東西カンファレンス制だろう。チームの移動を極力に抑え、開催地格差が出ないように東西各1会場で試合が行われるようになった。この日は東地区のENEOSサンフラワーズ、富士通レッドウェーブ戦が他の5試合に先んじての開催だ。

 昨季の開幕戦で相まみえた両チームだが、その試合は61−56で富士通が勝利を収めている。昨シーズンは各チーム16試合で終了したが、ENEOSが敗れたのはその1試合のみ。会場も同じ大田区総合体育館だけに、ティップオフ直後からどことなくぎこちないプレーを見せていたのがENEOSだった。

 それでもENEOSは渡嘉敷にボールを集めてペースをつかもうとするが、ボールが入れば富士通のディフェンスが常にダブルチーム、トリプルチームで渡嘉敷の自由を奪おうとする。第1クォーターは28−23でリードを奪うものの、持ち前の激しいディフェンスは逆に富士通がお株を奪う形になった。

 第2クォーターの開始から富士通はENEOSに思いどおりに攻めさせず、得点を許さない。富士通の内野智香英が3ポイント、そして篠崎澪がドリブル&ジャンプシュートを決めると、ENEOSの梅嵜英毅ヘッドコーチはたまらずタイムアウトを請求した。しかし、ENEOSのリズムは戻らない。タイムアウト再開直後のオフェンスで24秒バイオレーションを犯してしまう。その後、篠崎が残り6分55秒にジャンプシュートを沈めると、富士通が30−28と初めてリードを奪う。その後は一進一退の展開となり、前半は38−27で富士通が1点リードで折り返した。

◆先輩たちが抜けた穴を宮崎早織がきっちりと埋める活躍

 嫌なムードが漂い始めた中、ENEOSはディフェンスから速攻の形が出て、勢いを取り戻す。第3クォーター開始直後、この日、先発に起用された林咲希が連続で速攻を決めると、ENEOSベンチはこの試合一番の盛り上がりを見せた。

 バスケは流れをつかんだほうが勝利に向けて邁進するもの。ENEOSはここまでややおとなしかった宮澤夕貴や梅沢カディシャ樹奈が積極的にリングにアタックし、富士通にペースを渡さない。第4クォーター、ENEOSは渡嘉敷をベンチに置くも、梅沢、宮崎早織がシュートを決め、77−60で勝利した。

 試合後、コート上で行われたインタビューで宮崎は「リュウさん(吉田亜沙美)、ネオさん(藤岡麻菜美)が抜けて、『宮崎ではダメだ』と言われたくないので、この日のために全力で頑張ってきました」と笑顔を見せた。「富士通さんはテンポが速いので落ち着いてプレーすること。そしてENEOSらしいバスケをすること」を考えてプレーしたと振り返った。

「やはり開幕戦には独特のやりにくさがあります」と苦笑したのは次にマイクを持った渡嘉敷だ。「リーグが中断してから、この日を待ちわびていました。皆さんの前でプレーできるのがこんなに幸せなんだとしみじみ感じています」と、ファンへ感謝の言葉を述べると、「勝ててよかったのですが、勝ちた気持ちが強すぎて空回りしてしまったので、明日の試合はしっかりと修正して臨みます」と今日の試合を分析し、さらに次戦へ気持ちを切り変えていた。。

 この日のENEOSは先発が全員2ケタ得点を挙げる活躍を見せた。その中で宮崎と梅沢がチーム最多の18得点をゲット。渡嘉敷は10リバウンドをあげて、貫禄のダブルダブルを達成した。第2戦は9月19日、同じく大田区総合体育館で午後5時ティップオフ予定だ。