日本代表を目指す次世代が再び挑戦のスタートラインに立った。

 12月22日に横浜ビー・コルセアーズはBリーグ2020-21シーズンの特別指定選手として登録した東海大学の1年生、河村勇輝の入団会見を開催した。あくまでも大学の部活動が最優先となるため活動期間に関しては未定とのこと。

 河村と言えば昨冬、福岡第一高校でウインターカップを連覇した原動力であり、その後も特別指定選手として昨シーズンの三遠ネオフェニックスでインパクトを残したことが思い起こさせる。また東海大でも先日のインカレ優勝に貢献したことが記憶に新しい。

 この日の会見には横浜の植田哲也ゼネラルマネージャー(GM)と、カイル・ミリングヘッドコーチ(HC)とともに、河村は登壇。マイクを渡されると「Bリーグの舞台でプレーする機会を与えてくださった横浜ビー・コルセアーズのスタッフ、関係者の皆さん、本当にありがとうございます。自分の持てる力を最大限に発揮してチームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいと思います」と力強く語った。

 今回、河村が横浜を選んだ理由は2つあるという。1つは昨シーズン経験した西地区ではなく「東地区で試合を重ねたい気持ち」があったこと。もう1つは学生として「バスケと勉学を両立する環境」として、大学と同じ神奈川にあるチームだったことが決め手にもなった。

 一方でチームもかねてより河村を獲得対象としてリストアップ。植田GMは、メインガードの生原秀将がケガ明けでまだ「万全ではない」こと、河村加入によって「チーム内で競争が発生する」こと、さらには三遠で見られた「メディアをにぎわせた圧倒的なバリューを持っている」ことを判断して、獲得に至ったと明かした。

 また指揮官も河村の才能や人間性を評価して「ポジティブなエナジーをチームに運んでくれる選手」として期待をこめた。もちろん「河村選手に頼るわけではない」とも話したが、今シーズンも勝ち切れない試合があることを受けて「ひとつ欠けているピース(=河村)をチームに加えることで、もうひとプッシュできるのではないかと考えて、この決断に至りました」と、東地区8位から浮上するきっかけを彼に託していることがうかがえた。

 では、今の河村はどういった状況で、B1に挑むのか。今夏、私が彼に取材をした際には、大学で体作りとバスケIQの向上、大学トップレベルの先輩たちとコミュニケーションを取ってガードとしての力を培うことをテーマに掲げていた。

 それから月日がたち、体作りについては写真を見てのとおり、高校時代と比べてたくましくなっている。本人も大学でトレーニングを積んだ成果があったことを会見で語った。加えて、バスケIQやコミュニケーションについても次のように手ごたえを感じている。

「大学に入学して自分はバスケIQが全然なかったと実感しました。ですが、陸川(章)先生のもとで1年間、バスケットを学んだことで、いろんなことを吸収することができました。また実力のある先輩方がいる中でプレータイムを確保しないといけない、練習の中ですごく競争がある環境は、とても良い刺激になりました。成長できていると感じています」

 大学では主にシックスマンの役割を担った河村。一回りステップアップした姿で、プレーする姿は楽しみである。今シーズンは外国籍ポイントガードとマッチアップする機会が増えることも予想されるが、172センチの彼に不安はなさそうだ。

「僕は将来、日本代表のポイントガードになって、世界と戦える選手になりたい気持ちがあります。だから、そこは(=外国籍選手のマッチアップ)絶対に通らなければいけないところだと思います。Bリーグでこれを経験できることは本当に貴重であり、対戦する選手からも学び、頑張っていきたいです」

 Bリーガー河村勇輝の2度目の挑戦は、今週末26日アウェイの島根スサノオマジック戦からいよいよスタートする。

文=大橋裕之