ブルックリン・ネッツは、ジェームズ・ハーデンの補強により、リーグ最強のビッグ3を形成にすることに成功した。ハーデンは加入からまもなく、オクラホマシティ・サンダー時代に共にプレーしたケビン・デュラントと息のあったプレーを披露し、デビューから2試合連続で30得点オーバーを記録。チームの連勝記録も「4」に延びて(1月20日時点)、KDも「上々のスタート」と手応えを感じている様子だ。

 そんななかでNBAファンが待望しているのが、三銃士の一角をなすカイリー・アービングの復帰だ。アービングは家族の誕生日会へ参加するなど、“個人的理由”でしばらくチームから離れる日々が続いており、1月19日(現地時間18日)のミルウォーキー・バックス戦でもコートに姿を現すことはなかった。

 誰がボールホルダーになっても止める術が見当たらないだけに、どんなオフェンスを見せてくれるのか、妄想は膨らむ一方だが、もしかするとケミストリーの構築は容易ではないかもしれない。

 NBAリポーターのトミー・ディーによると、アービングは現在のネッツに対して大きな不満を抱いているという。

「カイリーは、ヘッドコーチの人選に口出しをする機会をもらえなかったため、組織に対して激しい怒りを抱いているようだ。彼はスティーブ・ナッシュの採用に賛成していなかった。また、彼とケビン・デュラントの関係性には、大きな距離ができてしまっている」

 アービングと近しい関係にある人々は、こうした現状をとても懸念している模様。『The Athletic』のジョー・バードンは、アービングの関係者たちが同ポイントガードを取り巻く問題の根源を探っているものの、これらの“仕事”は一筋縄ではいかないほど複雑化しているという。

 昨年12月中旬、アービングは新たにチームの指揮を執ることになったナッシュHCを賞賛するコメントを残していた。しかし、それはメディアに対してのリップサービスだったのだろうか。ナッシュはアービングの離脱直後、同選手にメッセージを送ったそうだが、カイリーからの返信は来ず。その後、ナッシュはメディアからアービングの状況について問われると、「もうこの話しを続けたくないし、噂や彼の状況についてコメントをしたくありません。申し訳ない。私にカイリーの最新情報を知る機会はなく、この件はフロントに任せています」と、お茶を濁していた。

 筆者の見解が推測の域を出ることはないが、こうしたNBA関係者のコメントや時系列などを包括的に考察すると、アービングとネッツの間に生じた亀裂がなかなか塞がらなかったことが、ハーデン獲得につながったのではないだろうか。

 アービングと“距離がある”とされているKDは「カイリー・アービングについて話す気はない。でも、俺は彼を100%支持する」と、どっちとも取れないコメントを残していたが、球団にハーデン獲得を懇願したのは他でもない、KD本人だったと言われている。表面的には「驚異のビッグ3が誕生」というポジティブな見出しが掲げられているものの、これにはアービングでは力不足、または将来的にネッツに残留する意義を見出せないというKDの意図があったとも捉えることができる。

 圧倒的なバスケットスキルとは裏腹に、素行や過激な発言が問題視されてきたアービング。ただ、登場人物のうち、誰かが真意とは異なる発言をしている可能性が高い。

 いずれにせよ、事の中心にいるのはネッツで11番を背負うリーグ屈指のポイントガード。アービングの言動にはもうしばらく注視する必要がありそうだ。

 文=Meiji