9月30日に6年目の開幕を迎えるBリーグ。今オフは各クラブが積極的に選手補強を行い、多くの選手が新天地へと移った。日本代表に名を連ねるビッグネームの移籍も目立ったなか、注目の移籍選手として挙げられるのが川崎ブレイブサンダースへ移籍した前田悟だ。富山グラウジーズで一昨シーズンに新人王を獲得し、昨シーズンは全60試合の出場でチャンピオンシップ出場へ大きく貢献するなど、飛躍を続けている若手ナンバーワンシューターはなぜ移籍を選んだのか。その胸中に迫った。

インタビュー・文=岡本亮
取材日=2021年8月23日
※インタビューはリモートで実施

――2年半過ごした富山を離れ、川崎への移籍を決断した理由を教えてください。
前田 正直に言うとめちゃくちゃ迷いました。富山に残ったらある程度のプレータイムをもらって、ある程度のチームとしての位置付けでプレーできたと思いますが、もっと挑戦したいと思ったんです。いろいろな選択肢がありましたが、川崎は天皇杯で優勝しましたし、環境面が整っていて伝統のあるチームなので、そんなチームで挑戦したいと思い移籍を決めました。

――入団会見時には「大学生の頃から川崎に憧れていた」とおっしゃっていました。
前田 憧れというより、好きなチームでした。優勝したNBLのラストシーズンをよく見ていたのですが、誰か一人に頼るのではなくチーム全員ですごくいいバスケットをしていましたし、自分も川崎でやってみたいなと思っていたんです。

――Bリーグ開幕後も川崎の動向は気をかけていたのですか?
前田 そうですね。川崎と対戦する時は気合を入れていました(笑)。

――昨シーズンのことについて聞かせてください。前田選手は全60試合に先発出場し、チャンピオンシップ進出に貢献しました。かなり自信につながったのではないでしょうか。
前田 昨シーズンは調子の波があったなかでスタメンとして起用してもらい、富山として初のチャンピオンシップ1勝を挙げることができて、自分としてもいい経験ができました。

――改めて、プロキャリアをスタートさせた富山で過ごした2シーズン半はご自身にとってどんな時間でしたか?
前田 大学の時は4番(パワーフォワード)だったのですが、富山ではシューターとして活躍してほしいと言われ、ワークアウトでシューターの動きをたくさん練習し、そこで自信がついて、ルーキーシーズンにたくさん試合に出させてもらいました。富山で新人王を獲得し、チャンピオンシップへ出場したのは自分にとって大きな財産ですし、関わってくれたすべての人に感謝したいです。いろいろな経験を積んで、とても成長できた2年半でした。

◆「三冠を達成できるよう持ち味を最大限発揮する」

――川崎の練習にすでに合流していますが、チームの雰囲気はいかがですか。
前田 すごくハードにやっています。外国籍選手はまだ来ていませんが(※8月23日時点、現在は合流済)、日本人選手6〜7人でハードに練習していて、正直に言うとキツいです(笑)。

――佐藤賢次ヘッドコーチの印象は?
前田 話しやすい方ですよ。僕は来たばかりなので、積極的にコーチや選手とコミュニケーションを取るようにしているのですが、(佐藤HCは)話しやすいですね。質問したらすぐに答えてくれますし、アドバイスもくれます。すごくコミュニケーションの取りやすいコーチだと思います。

――川崎は専用の体育館があって、寮も完備されていますが、そういった整った環境は心強いですか?
前田 最高です。食事もそうですし、ワークアウトするのにコーチがついてくれるうえに、トレーニングするにもついてくれます。富山から来たからこそこういうのは当たり前ではないと感じていますし、感謝しています。

――現在チームを作り上げていく最中だと思いますが、川崎のバスケットにどのように馴染んでいくかイメージはできていますか?
前田 僕はオフボールからの動きや3ポイントシュートが一番の武器なので、そこで貢献したいです。今シーズン、川崎はオフボールの動きを増やそうとしているので、それにフィットして、勝利に貢献していきたいと思っています。あとは、ピック&ロールだったりハンドラーになるケースも昨年より増えると思うので、ハンドリングの練習に励んでいます。

――得意の3ポイントシュートですが、プロ1年目は39.9パーセント、昨年は39.6パーセントでした。今シーズンはどのくらいの確率で決めたいと考えていますか?
前田 45パーセントくらいはいきたいですね。昨年は43パーセントに届くかなという感じだったのですが、チーム事情などもあって終盤に調子が狂ってしまいました。今シーズンは44〜45パーセントを目指しつつ、最低でも40パーセントは決めたいと思っています。

――そのほかに目標としていること、成長したいと考えていることがあれば教えてください。
前田 川崎はディフェンスのチームなので、ディフェンスができないと試合に出られません。そこでの成長は必須ですし、ディフェンスの意識やリバウンドなど泥臭いところでも貢献できるようになったらよりいい選手になれると思うので、ディフェンスを意識してやっていきたいです。

――では、最後にファンへメッセージをお願いします。
前田 今シーズン、チームとして天皇杯優勝、地区優勝、Bリーグ優勝を目標にかかげています。三冠を達成できるように自分の持ち味を最大限発揮して勝利に貢献したいですし、川崎の新しいバスケットを皆さんにお見せできるように頑張りたいと思います。新型コロナウイルスの影響で難しい状況ではありますが、会場に足を運んで応援していただけたらうれしいです。応援よろしくお願いします。