ようやく辿り着いたB1の舞台で、昨シーズンの信州ブレイブウォリアーズは臆することなく戦った。勝久マイケルヘッドコーチによって練り上げられたディフェンスはB1でも通用し、1試合平均75.0失点はリーグで2番目に少ない数字。昇格初年度でこの完成度は目を見張るものがあり、強豪クラブをも大いに苦しめた。

 平均得点でリーグ最下位に沈んだ得点力の低さが足を引っ張る形になってしまったが、それでも20勝はB1昇格初年度クラブとしては過去最高の勝利数だった。選手を大幅に入れ替えない継続路線はこれまで多くの昇格クラブにB1の壁の厚さを思い知らせてきたが、信州はその壁も破った。

 今シーズンも基本的には継続路線となり、補強は3人にとどめた。その3人は熊谷航と前田怜緒、岡田侑大だ。

 熊谷は昨シーズンこそ外国籍選手の影に隠れてしまったが、そのポテンシャルはすでに証明済み。前田も昨シーズンは滋賀レイクスターズで片鱗を見せた。そして岡田は新人王経験者であり、多彩なシュートバリエーションの持ち主として信州のオフェンスに幅を持たせるに違いない。出場時間をめぐる既存選手との競争も激しくなり、チームの活性化が進むはずだ。

 スターターは西山達哉、岡田、三ツ井利也、アンソニー・マクヘンリー、ウェイン・マーシャルと予想する。その成長度によっては栗原ルイスやヤン ジェミンも名乗りを上げてくるだろう。チームスタイルにフィットして昨季大きなインパクトを残した西山も、熊谷の加入には安閑としていられない。

◆■KEY PLAYER/PG・SG #77 岡田侑大

 チームをさらに進化させる可能性を秘めるのは岡田だ。勝久体制での信州は3ポイントを多投するオフェンススタイルを取ってきたが、前述のように得点パターンの多い岡田はそのシステムにフィットすることができる一方で、ドライブやペリメーターショットなどの決定力も高く、ハンドラーとしての能力も備える。

 岡田がラインアップに入ることは信州のオフェンスに変化をもたらし、対戦相手を惑わせることにもなる。岡田の活かし方は、今シーズンの信州にとって重要なテーマの1つだ。

 就任3シーズン目を終え、オフに入ってすぐに複数年契約を結んだ勝久HCのチームビルディングはまだ道半ば。B1でさらに大きな1歩を踏み出せるかどうか、勝久HCの手腕に注目したい。

文=吉川哲彦