主力の多くが抜けて大幅に選手が入れ替わった昨シーズンは、滋賀レイクスターズにとって厳しい戦いになることも予想された。しかし、ジョーダン・ハミルトンが圧巻の活躍を見せ、晴山ケビンを筆頭に新加入の日本人選手も躍動。契約継続した狩俣昌也と伊藤大司も若返ったチームを引っ張り、ショーン・デニスヘッドコーチの戦術眼と掌握術がチームを押し上げた。23勝36敗という数字は一昨シーズンよりダウンしてしまったが、上位クラブにもよく食らいつき、成果を残したシーズンだったことも確かだ。

 ただ、今シーズンも昨シーズン同様にチームは再構築の1年となる。デニスHCが去り、選手も残ったのは今川友哲と野本大智だけ。また新たなスタートを切らなければならないが、指揮官も交代するとあって、クラブは大きな一手を打った。

 ルイス・ギル新HCはスペイン代表のアシスタントコーチとして一昨年のFIBAワールドカップ優勝に貢献し、今夏も東京五輪に出場した名将。保田堯之ACに加えてホープの澁田怜音と川真田紘也も古巣の佐賀バルーナースから引き連れてきた。アジア特別枠を活用してキーファー・ラベナも獲得するなど戦力的には整った感もあり、特別指定選手のトビンマーカス海舟もサイズのあるフォワードとして将来性豊かな選手だ。

 スターター候補は柏倉哲平、野本、林翔太郎、オヴィ・ソコ、ショーン・オマラ。もちろん、対戦相手次第ではラベナが入る場合もあるだろう。ソコとともにインサイドで大きな役割を担うオマラは一昨シーズンは大阪エヴェッサで、昨シーズンはバンビシャス奈良でプレー。関西の水にも慣れ、ステップアップを期待しても良さそうだ。

 練習方法なども含め、ギルHCが持ち込むスペイン流バスケットがどれほどのスピードでチームに浸透するか。それによっては西地区の台風の目になる可能性もある。B3参入初年度の佐賀を就任1年目でリーグ優勝させ、B2に昇格させたギルHCの手腕に要注目だ。

◆■KEY PLAYER/SF #1 オヴィ・ソコ


 一新されたロスターのなかでも特に楽しみなのが、昨シーズンフランス1部リーグでベスト5に選ばれたオヴィ・ソコだ。ヨーロッパ各国を渡り歩き、イギリス代表でも活躍。ラベナがガード、ノヴァー・ガドソンもアウトサイド寄りのプレースタイルということを考えると、ソコのインサイドでの働きはより重要となるが、30歳という脂の乗った年齢は大活躍を予感させる。

文=吉川哲彦