◆レブロンに次いでピストンズからミラチッチが指名されたことに「あの時俺は…そう、傷ついた。そこには失望があったんだ」

 2003年のNBAドラフトは、クリーブランド・キャバリアーズがレブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)を全体1位指名し、デンバー・ナゲッツがカーメロ・アンソニー(現レイカーズ)を3位、トロント・ラプターズがクリス・ボッシュ(元ラプターズほか)を4位、マイアミ・ヒートがドウェイン・ウェイド(元ヒートほか)を5位で指名し、彼らは全員がオールスター入りするという史上有数の豊作年に。

 同年にドラフト指名された選手で今なお現役でプレーしているのはレブロンとカーメロのみで、ドラフト外でヒートへ入団したユドニス・ハズレムと共に、現役最年長となるキャリア19シーズン目を迎える。

 そんななか、カーメロが9月17日(現地時間16日)に『GQ』へ掲載された記事の中で、この年のドラフトについて振り返っていた。高校生ながらすでに全米にその名をとどろかせていたレブロンの全体1位指名は確実視されていたのだが、03年にシラキュース大学の1年生としてNCAAトーナメントを制する原動力となったカーメロも、一際注目を集めていた。

 だが全体2位指名権を持っていたデトロイト・ピストンズは、セルビア出身のダーコ・ミラチッチ(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)を指名。即戦力のスコアラーと評されていたカーメロではなく、213センチのビッグマンを指名したのである。

「あの時俺は…そう、傷ついた。そこには失望があったんだ。おいおい、なぜだ? なんでおれはこんなに失望し続けることになるんだ? 物事は決して正しい方向にはいかなかったね。なんで彼らは俺じゃないんだ? とね」。

 カレッジ界のスーパースターとなり、1年生エースとして全米制覇を成し遂げただけに、カーメロが全体1位指名されると自信を持っていたことは明白。レブロンの1位指名ならまだしも、2位であまり知られていないビッグマンが指名されたことに動揺したことは、本人の言葉からも明らかだった。

「そのせいで俺はちょっと、いやしばらくのあいだ黙り込んでしまった。どうして俺にそんなことが起こるんだ? 俺は自分自身に問いかけていた。あの時、俺はものすごく失望していたことを覚えている」。

 ミラチッチはルーキーシーズンで34試合に出場したものの、平均4.7分1.4得点1.3リバウンドとローテーション入りできず。3シーズン目にオーランド・マジックへトレードされるなど、キャリア10シーズンで計6チームを渡り歩き、平均6.0得点4.2リバウンド1.3ブロックでNBAから姿を消した。

 一方のカーメロはナゲッツでルーキーながらエースとなり、平均21.0得点6.1リバウンド2.8アシスト1.2スティールをマーク。新人王はレブロンが獲得したものの、ナゲッツをプレーオフへと導いた。

 昨季までのキャリア18シーズンで、カーメロは平均23.0得点6.3リバウンド2.8アシストを残しており、通算2万7370得点はNBA歴代10位と、リーグ史に名を残すスコアラーとなっている。

 選手としての格、実績でカーメロがミラチッチを大きく突き放していることは事実。ただ、ミラチッチはルーキーシーズンにピストンズの一員としてチャンピオンシップを勝ち取った経験がある。

 王座獲得をかけてレイカーズで今季を迎えるカーメロ。レブロンやアンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルックらと共に、悲願のNBAチャンピオンに輝くことができるのか。この男の挑戦を最後まで見届けていきたい。