2020年にイースタン・カンファレンスを制してNBAファイナルまで駆け上がったマイアミ・ヒートは、昨季プレーオフでミルウォーキー・バックスの前に4連敗を喫し、ファーストラウンドで姿を消した。

 すると今夏、チームはサイン&トレードでトロント・ラプターズからカイル・ラウリー、フリーエージェント(FA)戦線でPJ・タッカー、マーキーフ・モリスを獲得し、シューターのダンカン・ロビンソンやビッグマンのドウェイン・デッドモン、大ベテランのユドニス・ハズレムらと再契約。

 ジミー・バトラー、バム・アデバヨを中心とした布陣に優勝経験を持つ即戦力のベテラン陣を加え、2シーズンぶりのイースト制覇、そして13年以来となるチャンピオンシップ獲得に向けて始動している。

 ただその一方で、ヒートはハズレムに次いでチーム最古参となる在籍7シーズンを終えたゴラン・ドラギッチをラプターズへ手放していた。ヒートでスターターからシックスマンへと役割を変えつつ、スコアリングやプレーメイクで貢献してきたベテランを放出するのは苦渋の決断だったはずだ。

 10月5日(現地時間4日、日付は以下同)に地元メディア『Miami Herald』へ掲載された記事の中で、エリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)は「最終的に、これはビジネスとしての結論なんだ。全ては勝利のため」と話すも、チームの功労者の1人についてこうも話していた。

「だが(ドラギッチとは)今後も関係を続けていきたいと本当に願っている。それが最も大事なこと。すばらしいことを共に築き上げてきた経験がある選手とは特にね。私とゴランにはそれがある。当然、我々はプレーオフで数々の競い合ってきた経験があるからね。それと同時に、私は(ドラギッチの母国である)スロベニアまで行って、彼とその家族に会いに行き、彼がどこからやって来たのか、あの国で彼がどんな人物だったのかを見てきた。それも非常に重要なこと。あれは本当に良い経験だった」。

 ドラギッチはスロベニア代表の元チームメートのルカ・ドンチッチ、同代表の元指揮官イゴール・ココスコフがアシスタントコーチを務めるダラス・マーベリックスへ移籍するのではという報道もあった。

 だがここまでラプターズの一員として合流しており、5日に行なわれたフィラデルフィア・セブンティシクサーズとのプレシーズン初戦で先発出場し、8得点を残して勝利に貢献している。

 ヒートを退団したことで、ドラギッチは対戦相手として古巣と戦うことになるのだが、バトラーやアデバヨ、タイラー・ヒーローといったファイナルで共闘した元チームメートたち、そしてスポールストラHCと構築した関係はそう簡単に崩れることはない。

 今季ラプターズとヒートによる直接対決は4度組まれており、特にマイアミ凱旋となる来年1月18日の試合は、ドラギッチとスポールストラHCにとって感慨深いものとなるに違いない。

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