ギルバート・アリーナスは2000年代を中心に、NBAで計11シーズンをプレーしてきたスコアリングガード。

 01年のドラフトでゴールデンステイト・ウォリアーズから2巡目全体31位で指名されると、2年目となった02−03シーズンに平均18.3得点4.7リバウンド6.3アシスト1.5スティールを残してMIP(最優秀躍進選手賞)を獲得。

 03−04シーズンからワシントン・ウィザーズへ移籍すると、持ち前の爆発的な得点力が開花し、05−06シーズンには平均29.3得点に6.1アシスト2.0スティール、翌06−07シーズンも同28.4得点6.0アシスト1.9スティールと暴れ回り、オールスターとオールNBAチームにそれぞれ3度選ばれた。

 現役時代にトラッシュトーカーとして鳴らした男は、現在ポッドキャスト番組「The No Chill with Gilbert Arenas」でも軽妙なトークを見せており、7月28日(現地時間27日)にはJR・スミスを迎えた最新エピソードが公開。そのなかで、アリーナスはウィザーズ時代のチームメートに“黙ってろ”と言われたことを明かしていた。

「彼をガードしなきゃいけないことがあったのを覚えてるよ。ラリー(ヒューズ)がファウルを重ねてしまったんだ。早くも2回吹かれてしまって、そこで俺はしゃべるのをやめたのさ。ラリー・ヒューズから初めて言われたんだ。『おい、お前は黙ってろ。守れないんなら何も言うな』ってね」。

 アリーナスとヒューズは03−04、04−05の2シーズンでウィザーズのチームメートとして共闘。ヒューズはオールラウンダーとして台頭し、ディフェンス面ではストッパー役も務めており、チームは04−05シーズンにイースタン・カンファレンス5位の45勝37敗を残してプレーオフへ進出。

 第4シードのシカゴ・ブルズと対決したファーストラウンドではアリーナスがシリーズ平均23.0得点6.2リバウンド6.5アシスト1.7スティール、ヒューズが同22.5得点6.8リバウンド4.0アシスト2.2スティールと両ガードが躍動。さらにアントワン・ジェイミソンが同18.2得点7.3リバウンドと活躍し、4勝2敗で撃破した。だがイースト首位の59勝23敗を残したマイアミ・ヒートとのカンファレンス・セミファイナルではシャックことシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)を2試合のみで“温存”させた相手に4連敗のスウィープ敗退に。

 このエピソード内でアリーナスが明かした“彼”、ヒューズを早々にファウルトラブルへ陥れた相手はドウェイン・ウェイド(元ヒートほか)。アリーナスとヒューズがウィザーズでチームメートとしてプレーしていた当時、ウェイドはNBA入り直後で、屈強な肉体と驚異的なクイックネス、巧みなボールハンドリングで積極果敢にペイントエリアへ侵入し、お構いなしにダンクやレイアップで相手チームのリングを強襲していた。

 ヒューズは05年にオールディフェンシブチームファーストチームに選ばれていたものの、当時のウェイドはまさにアンストッパブルな選手だったのだろう。そのヒューズがアリーナスへ「黙ってろ」と注意していたことからも、ウェイドのすごさを垣間見ることができる。

 アリーナスは一時リーグ最高級のスコアリングガードとしての地位を確立し、独特なキャラクターの持ち主としても愛された選手。だがウェイドは翌06年にヒートを球団史上初優勝へと導いた立て役者であり、来年の殿堂入りが確実視されているスーパースター。ウェイドのガード役は、さすがにアリーナスには荷が重すぎたということなのだろう。