カイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)ほど、“次の一手”が予測できない選手はいないだろう。同選手は常軌を逸したハンドリングで数多のハイライトを生み出し、ひとたびボールを持てば一人で相手を切り裂きいてオフェンスを完結させてきた。

 予測できないのはプレーだけではない。ニューヨーク州が州法で定めたワクチン接種を拒み、試合に出場できない日々が続いたと思えば、いざコートに戻ると古巣ボストン・セルティックスのロゴを踏みつけ、同球団のファンに中指を立てたりと、話題に事欠かない。

 また、契約ブランドのナイキからリリースされたシグネチャーモデル『カイリー 8』のリーク画像が流出した際には、「ゴミだ。俺は一切関与していない」と吐き捨て、冷や汗をかいた関係者は少なくないことだろう。

 今オフはネッツからのトレードも噂されたが、最近ではそれも火消しを迎えた様子。しかし、アービングの未来から「NBA」の三文字が消える日はそう遠くはないのかもしれない。

◆「僕が教わったすべてを若者たちに伝えていきたい」

 アービングは、とあるファンがツイッターに投稿したレギュラーシーズンの“ガス抜き”の仕方について、A11Evenのアカウントから返答。その一環で自身の将来についての考えを明かしている。

「俺自身、ガス抜きする必要は全くないよ。世界最高のリーグで12年目を迎えようとしているけれど、俺はより良くなる一方だ。38歳になって自分のキャリアを振り返る時間ができた時にはそうするかもね。でも、それまではすべての瞬間を楽しむつもりだ」

「そうだね、でも俺は38歳になってもバスケットボールを続けていると思う(笑)。世界中のリーグでプレーして、僕が教わったことのすべてを若者たちに伝えていきたいな」

 今年3月に30歳になったばかりの同選手は今、まさにキャリアの全盛期にいる。今オフにはで​3690万ドル(約50億円)のプレーヤーオプションを行使し、ネッツ残留を決意。2022−23シーズンにはフリーエージェントになるが、本来の力を遺憾なく発揮できればしばらくは所属先に困ることはないだろう。

 しかし、キャリア晩年にはアービングの姿はアメリカにないかもしれない。冒頭で言及した数々の問題行動とは裏腹に、同選手は常に少数派や未来ある若者の味方であり続けてきた。

 数週間前はかつての相棒であるレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)とともにプロアマリーグの頂点「ドリューリーグ」への参戦も噂されたが、最終的には欠場を選択。キッズバスケットボールキャンプに参加し、子どもたちの指導にあたったことが判明している。

 ​アービングは「世界中のリーグ」についての詳細は明かしていない。だが、彼のスタイルからして、ユーロリーグをはじめ、NBA経験者など実力者がしのぎを削るクオリティーの高いリーグに参加する可能性は低いのではないだろうか。

 そうなった場合、行き先は伸びしろがあり、自国選手を中心に構成されるローカルリーグか。アービングの候補リストに、Bリーグの名前があることを切に願う。

 文=Meiji