12月6日に川崎ブレイブサンダースの株主(オーナー)が、東芝ビジネスアンドライフサービス株式会社から2018ー19シーズンから株式会社ディー・エヌ・エー(以降DeNA)に変更することとなった。その発表から一夜明けた7日、川崎のキャプテンである篠山竜青が、東芝への愛、川崎と横浜、そして自身の心情を語った。

 篠山をはじめチームメートたちが今回の株主譲渡を知ったのは、5日の練習後のこと。チーム運営会社の荒木雅己社長がミーティングを行い、知ったという。事前に何か聞かされていたことはなかったものの、「プロスポーツですので、もしかしたら(株主譲渡ということが)あるかもしれない、ということは頭のどこかにありました」と篠山。「いろいろな競技を見ても、プロスポーツというのはオーナーが変わることは珍しいことではないですし、いろいろな面で変化していくことが求められるビジネスだと思っていますので、バスケットでも十分あり得ることだと思います」と続けた。

 とはいえ、入団後から長年プレーしてきた東芝は、篠山の人生にとって重要な部分を占めていることは明らか。「入団当初は東芝の社員として入り、選手としてプレーさせていただいたので、愛着がありますし、寂しい思いもあります」と篠山は言う。「一般社員の方たちと一緒に働かせていただきました。僕らはどちらかというと本当に働きながら練習して、試合をしていく環境でしたので、会社への思いは強かったです」と、自身の思いを述べた。今回の株主譲渡についても「今まで支えてきてくれて東芝が柔軟に対応して、辞めるというのではなくて、しっかりと次を支えてくれる存在を見つけてくれました。そこに僕らに対する愛を感じますので、非常にありがたいと思っています」と東芝への思いを語っている。

 その一方、2018―19シーズンから川崎のオーナーとなるDeNAについて聞かれた篠山は「ポジティブなイメージです」と口にし、好印象であると答えた。「僕は地元が横浜ですので、横浜ベイスターズのことは(筆頭株主が)TBSの頃から見ていました。DeNAになってからは集客面だけでなく、今年は日本シリーズに出場していて、プロチームとしての成長を遂げているな、という感覚を持っています」と篠山。

 今後、川崎はチームとしてどのように変わっていくのか。オーナー変更により、チーム名やユニフォームなどさまざまな変化が起こることになるのかもしれない。それでも、現在使用している練習施設はこれまでと同様となっており「安心しました」と言った篠山だけでなく、多くの選手が同じように感じたのではないだろうか。「DeNAに変わっても、川崎の街に貢献していくことができる部分は変わらないので、ありがたかったです」という言葉は、選手たちの意見を代弁していると言えるだろう。

 それに、東芝からDeNAに変わろうと、篠山にとって東芝との関係が終わることは決してない。「親交のある方たちとはこれからもお付き合いしていきたいと思います。東芝との絆は、オーナーが変わったからといって切る必要はないですし、もっともっと応援してもらえるようにやっていきたいです。そしてこれからも家電は東芝で統一していきたいと思っています」。

 だが、今シーズンは60試合のうち、約3分の1を終えたばかり。ここ数日、オーナー変更の情報ばかりが飛び交っているものの、選手たちをはじめスタッフも戦い続けていかなければならない。そういった点で今回の件はモチベーションとなったのではないだろうか。「川崎ブレイブサンダースが終わるわけではないですが、今季は一区切りになると思います。有終の美といいますか、1つの区切りとして恩返しをするという意味でも、今季結果を出そうという気持ちは選手・スタッフの中で高まっているという感覚があります」と、篠山は今後に向けた意気込みを話した。

 新しいことへの挑戦、変化というのは準備していようとなかろうと、誰もが経験すること。今年のプロ野球でセントラル・リーグ3位からクライマックス・シリーズを勝ち上がり、日本シリーズを戦ったDeNAがバスケットボール界にも進出するという“変化”が訪れたことを受けて、篠山は「その変化に順応していくことで、個人個人としても成長できると思います。そういう意味では、ほかではあまり経験できない貴重な体験をさせてもらっているのかな、というように感じています」とポジティブな気持ちで答えている。

 オーナー変更という変化を受け入れ、チームとして順応していくことで、川崎ブレイブサンダースはチームとしてさらなる成長ができると期待したい。