世界最高峰のプロスポーツリーグであるNBAは、選手や球団の存在は言わずもがな、巨額なスポンサーシップと放映権で成り立っている。2017年に締結されたゴールデンステイト・ウォリアーズと楽天のパッチ広告契約は、当時の報道で推定年間22億円と言われている。

 一方の放映権は、スマートフォンやタブレットなど小型液晶を搭載したデバイスの急速な普及により風向きが変わりつつあるが、ボールホルダーは依然として「ウォルト・ディズニー」社だ。

 同社は、4〜6月期の四半期決算で売上高が前年同期比で26パーセント増、純利益が53パーセント増と驚異の好調ぶりを発表。「Disney+」を含むディズニー公式動画配信サービスは「Netflix」の会員数を遂に上回り、堅調な成長はとどまるところを知らない。

 「ウォルト・ディズニー」社のCEOを務めるボブ・チャペック氏は、今回の決算報告の場において、2021−22シーズンのNBAファイナル視聴率を賞賛すると同時に「NBAとの契約更新に関心がある」と、リーグとの関係性を継続する意向を表明。しかし、この契約更新は「株主価値に貢献する場合のみ行う」とし、慎重な姿勢も示している。

 現在のアメリカにおいて、NBAの放映権は「ウォルト・ディズニー」社傘下にある「ESPN」と、「ワーナー・ブラザース・ディスカバリー・ネットワークス」社が運営する「TNT」が所有している。そして、オンラインマガジン『Deadline』によると、「ウォルト・ディズニー」社は本契約でNBAに対し、年間約25億ドル(約3330億円)を支払っているが、現行契約は2024−25シーズンをもって終了となる。

 しかし、リーグは昨年NFLが巨額の放映権契約を締結した事例から、彼らと足並みを揃えると思われる。「NBC」を含むネットワーク3社とNFLの新契約は、前回契約から倍増の20億ドル(約2660億円)を超えるという。

 さらに、「ESPN」との契約はそれをさらに上回る27億ドル(約3600億円)となり、NFLの放映権は4メディア合計で年間約100億ドル(約1兆3320億円)にも膨れ上がっている。加えて、「Amazon」も木曜日の独占配信で年間10億ドル(約1330億円)の契約を結んでることを補足しておきたい。 

 『Deadline』いわく、NBAは入札候補者に最大750億ドル(約10兆円)の支払いを提示するものと見られており、たとえ「ウォルト・ディズニー」社でも容易に意思決定できる金額ではない。しかしながら、同社のCEOは「私たちは常にスポーツの力に魅了されてきました。NBAとの継続的な関係は、我々にとって本当に魅力的なものです」とコメントし、将来的な契約更新の可能性を示唆した。

 最も巨額な金額が動く放映権は、球団や視聴者にも多大な影響を及ぼすものだ。放映権の切れ目に新球団参入の噂もあるだけに、今後も注意深く動向を見守っていきたい。

 文=Meiji