昨季のNBAファイナルは、前身のBAA時代の1946−47シーズンから参入しているゴールデンステイト・ウォリアーズとボストン・セルティックスによる対戦となり、開幕前から盛り上がりを見せていた。シリーズはファイナル出場経験のある選手が皆無だったセルティックスが敵地で初戦を制し、続く第2戦こそウォリアーズが勝利して1勝1敗のタイへ持ち込むも、セルティックスがホームの第3戦をモノにして2勝1敗と、フランチャイズ史上18度目の優勝にあと2勝へ迫った。

 ところが、敵地で行なわれた“マストウィンゲーム”でステフィン・カリーが43得点の超越パフォーマンスを見せるなどウォリアーズが2勝2敗のタイへ戻すと、そのまま第5、6戦も制して4年ぶり通算7度目の王座に就いた。

 9月15日(現地時間14日)に『The Athletic』へ公開された記事の中で、セルティックスのマーカス・スマートは約3か月が経過した今でも思い残すことがあると口にしている。

「ときどき、自分が眠っていることに驚くんだ。で、目が覚めると明かりがついている。その当時、僕は眠れなくてYouTubeで(昨季のNBAファイナルを)全部観ている日を過ごしていた」

「彼女が『もうそこから解放しなよ。終わったんだから、あきらめなよ』って感じで言ってくるんだけど、僕にはそんなことできない。だってこれが競争する僕たちとしてのすばらしさなんだ」とスマート。

 第4戦以降で3連敗を喫したセルティックスは、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンというリーグ有数のウィングプレーヤーたちを擁しながら、いずれも100得点未満に抑え込まれた。

 その要因の1つとして、スマートが「選手層」と挙げていたとおり、シリーズが進むにつれてデリック・ホワイト、ペイトン・プリチャード、グラント・ウィリアムズというベンチメンバーの活躍が限定されてしまい、スターターたちが作った勢いを持続できなかった。

 するとセルティックスは今夏、ファイナルでローテーション入りしていた8選手を除くメンバーを放出してインディアナ・ペイサーズからマルコム・ブログドン、トレード後にバイアウトとなってフリーエージェント(FA)となったダニーロ・ガリナーリを獲得。

 ガリナーリは左ひざの前十字靭帯(ACL)断裂と診断されたため、セルティックスデビューは早くても今季終盤となる見込みながら、トレード要求と報じられていたケビン・デュラントを絡めたブルックリン・ネッツとの交渉も進展なく終わり、昨季の主要メンバーにブログドンを加えた布陣で今季リベンジを狙う機会を手にした。

「僕らが今もなお一緒のチームでいられることがうれしい。(昨シーズンに)僕らは実績を残し、ほんの少しやり残してしまった。僕らは(このメンバーで)また挑戦したいんだ」。

 レギュラーシーズンは約半年間に及ぶ長丁場で82試合も組まれている。そこからプレーオフで4戦先勝のシリーズを4つも勝ち抜かなければ、NBAでチャンピオンとなることはできない。

 それでも、昨季イースタン・カンファレンスを勝ち上がった主力が全員残っていることは、セルティックスにとって大きな強みであり、そこで得た経験も長いシーズンを乗り切るうえで貴重なものとなる。

 テイタムとブラウンにハート&ソウルのスマートを擁するセルティックスが08年以来初の王座を獲得できるかは、今季注目すべき見どころの1つと言えるだろう。