9月17日(現地時間16日、日付は以下同)。『Heavy.com』のショーン・ディビニー記者は、NBAの匿名ヘッドコーチ(HC)と会話の場を持ち、その中でとあるトレードについても話し合ったと報じた。

 それは2020年2月7日にゴールデンステイト・ウォリアーズとミネソタ・ティンバーウルブズが断行したトレードだった。当時ウォリアーズはクレイ・トンプソンがケガのためシーズン全休、ステフィン・カリーもケガのため長期離脱を余儀なくされて成績低迷。

 19年夏にケビン・デュラントがフリーエージェント(FA)となってブルックリン・ネッツへ移籍した際、サイン&トレードでディアンジェロ・ラッセルらを獲得。ラッセルは18−19シーズンに平均21.1得点3.9リバウンド7.0アシスト1.2スティールを残してオールスターに初選出され、プレーオフ進出にも貢献していた。

 だが20年2月に、ウォリアーズはラッセルとジェイコブ・エバンス、オマリ・スペルマンを放出し、ウルブズからアンドリュー・ウィギンズと21年のドラフト1巡目指名権(ジョナサン・クミンガ)と2巡目指名権を獲得。両チームにとってフェアになるはずが、ウルブズにとってこの動きが高くついたと言わんばかりに匿名HCはこう話していた。

「(ゴールデンステイトが)ウィギンズとクミンガを指名するための指名権を手にし、彼ら(ウルブズ)はディアンジェロ・ラッセルを獲得した。あれはぼったくりになった…。一体、どんな球団がラッセルのために(ドラフト)指名権とウィギンズをトレードするんだい?」

 そのトレード後、ラッセルはウルブズで約3シーズンを過ごして平均18.8得点3.2リバウンド6.6アシスト1.0スティールをマーク。2015年のドラフト同期で親しい友人でもあるカール・アンソニー・タウンズ、アンソニー・エドワーズらと共に、昨季は自身2度目のプレーオフを経験。

 一方のウォリアーズはウィギンズに加えてそのドラフト指名権でクミンガを指名。自チームが保持していた14位指名権でモーゼス・ムーディーを指名し将来の格となるポテンシャルを秘めた2選手を手に入れた。

 そしてウィギンズはカリー、トンプソン、ドレイモンド・グリーンというビッグ3を補完する有能なロールプレーヤーへ転身し、昨季は平均17.2得点4.5リバウンド2.2アシスト1.0スティールでオールスターへ初選出され、プレーオフでは攻防両面に渡って重要な役割をこなして優勝に大きく貢献。

 ウィギンズは新人王に選ばれたことがあったとはいえ、トレード当時はオールスターのラッセルの方が格上としてみなされていたのだが、現在では立場が逆転したと見ることもできる。

「我々は、彼のアスレティシズムとディフェンス、万能性を必要としていた。まさかこれほどの貢献を見せてくれるとは思っていなかったけどね。でもね。私はすべて、いやほとんどのNBA選手への合図だと思っている。どんな選手にも、彼らにとってうってつけの場所(チーム)、適切なチームメートたちが必要なんだ。ウィグズ(ウィギンズ)はすばらしくフィットしているよ」。

 ウォリアーズのスティーブ・カーHCは昨季のNBAファイナル第5戦でいずれもチームトップとなる26得点13リバウンドと大活躍したウィギンズをそう評し、自チームで成長し続けていることに目を細めていた。

 ウィギンズとラッセルが絡んだ両チームのトレードは、現時点では昨季優勝を成し遂げたウォリアーズに軍配が上がると言っていい。だがウルブズが完全に失敗だったと断言するのはさすがに時期尚早。ルディ・ゴベアやカイル・アンダーソンら新戦力を加えたことで、ウルブズが今季どこまで上位争いへ絡んでくるかにも注目していきたい。

【動画】ウィギンズの昨季プレーオフハイライトはこちら!