Bリーグ以降チーム最高勝率をマークし、チャンピオンシップにコマを進めた一昨シーズンから一転、昨シーズンは開幕8連敗の出遅れを最後まで取り戻せず、西地区7位に甘んじる結果となった富山グラウジーズ。浜口炎ヘッドコーチ就任3シーズン目となる今シーズンは、是が非でもCSの舞台に返り咲きたいところだ。

 しかし、今シーズンはチームにとって大きな変化のシーズンにもなりそうだ。6シーズンの間富山の顔としてプレーしてきた宇都直輝が移籍し、浜口HCと長く共闘してきたジュリアン・マブンガもチームを去った。他にも4人が退団し、チームの再編成を迫られることになった。

 新加入は、昨シーズンの特別指定選手契約からプロ契約に切り替わった野﨑由之と上田隼輔を含めて5人。外国籍選手のコーディ・デンプスはアメリカ代表の経験を持つポイントガードで、オールラウンダーだった宇都とマブンガの後釜として期待される。外国籍ガードを獲得できたのは、帰化選手のファイサンバを迎え入れたことも大きな理由だ。

 この2人がどうフィットするか、浦野泰斗も含めたルーキー3人がどう成長するかが大きなポイントになることは間違いなく、特にスターターのポイントガードをデンプスにするか、若手に託すかで今シーズンの方向性が見えてくる。

 チームの起点だった宇都とマブンガが抜けたことで、戦略面の見直しは避けて通れないが、その中でもジョシュア・スミスというインサイドの柱がいることは大きい。また、水戸健史を筆頭とする既存選手の経験値の高さは、若手の成長を促す意味でも貴重。一体感を高め、試合を重ねながら進化していきたい。

◆■KEY PLAYER/SG #16 松井啓十郎

 プロキャリア14シーズン目となる松井啓十郎は、水戸と並ぶチーム最年長選手。正確なシュート力は衰える気配がなく、3ポイントシュート成功率は昨季も40パーセントを記録した。

 京都ハンナリーズでも浜口HCの下でプレーしており、そのスタイルを熟知していることも武器となる。プレー自体はもちろんのこと、若手の指南役や外国籍選手のメンターといった役割も安心して任せることができ、その存在感は再浮上を期する今シーズンの富山に欠かせない。

 文=吉川哲彦