NBAは開幕に先立ち、今季の抱負を表明するキックオフカンファレンスを開催した。オフの過ごし方、新加入の選手のことをはじめ、会場では記者からさまざまな質問が投げかけられ、選手が言葉を発する度に新シーズンへの期待が膨らんでいった。

 シカゴ・ブルズのアレックス・カルーソは、ステファン・カリーのゴルフトーナメントへの参戦、花の都パリの訪問、自身の名を冠したバスケットコートの改装など、充実したオフを過ごした。

 しかし、全てが思い通りに進んだわけではないようだ。ホワイトマンバは今季から背番号変更を試みたものの、リーグから却下されてしまったという。

 カルーソは、ロサンゼルス・レイカーズ時代に背番号4を着用していた。しかし、ブルズの4番は、選手としてもコーチとしてもブルズに在籍した名将ジェリー・スローンの永久欠番となっていることから、「見た目が好き」という理由で背番号6を着用している。

 カルーソが背番号変更を検討した理由は、7月31日にこの世を去ったビル・ラッセルへのトリビュートだ。『NBC Sports』によれば、カルーソはボストン・セルティックを11度のチャンピオンに導いたレジェンドに敬意を表して、彼が現役時代に着用した背番号6からの変更を相談。しかし、カルーソは記者たちに対して、自身の人気が変更の足枷になったと語っている。

「今季は確かに検討を変更した。でも、NBAからは僕のジャージが販売ランキングのトップ75に入っているという理由で、それはできないと言われたんだ」

 カルーソは、その苦労人としてのキャリアと見かけとは裏腹なエネルギッシュなプレーで、レブロン・ジェームズからは「GOAT」と呼ばれたほか、ショータイムに準えてカルーショー(Carushow)という愛称で親しまれるほど、オールスター選手に負けじと劣らぬ人気を誇るプレーヤーだ。

 それはシカゴのファンにも引き継がれており、NBAはカルーソの背番号変更が生産背景とファンに絶大な影響を及ぼすと考えたのだろう。

 それでも、カルーソは1人のバスケットボールプレーヤーとして、ラッセルを尊敬して止まない。

「僕は心の底から彼自身と、彼のレガシーや彼が支持してきた全ての物事に対して敬意を示したいと思っています。彼は紛れもないパイオニアです。バスケットボールという競技でアフリカ系アメリカ人選手の地位を向上させた立役者であり、ひたすらに素晴らしい人でした。彼を知る者で否定的なことを言う人に出会ったことがありません」

 NBAはラッセルと彼の偉大な功績を讃え、リーグ全体で背番号6を永久欠番にすると発表。しかし、カルーソのようにすでに6番を着用している選手は、例外として継続での着用が許可されている。さらに、今季は全ての選手のジャージにラッセルの記念パッチをつけ、サイドラインにも6の数字が入ったクローバーを施すなど、リーグ全体で亡きレジェンドにトリビュートが捧げられる。


 新シーズンのカルーソは、その背中にラッセルの意志を背負い、今まで以上のハッスルを披露してくれるに違いない。

文=Meiji