9月22日からオーストラリアのシドニーにて開催された「FIBA女子ワールドカップ2022」。日本は残念ながら1勝4敗で予選敗退となり、目標の金メダル獲得はならなかった。

 この大会の全5試合でスターターを担った東藤なな子(トヨタ紡織サンシャインラビッツ)は、大会を終え、個人としての出来などを冷静に振り返った。

「一番はディフェンスで足を動かして積極的に流れを持っていくことを意識して試合に入りました。ディフェンスに関しては、自分の中では及第点をあげられるかなという達成感はあります。

 オフェンスではリズムをなかなか取れず、(初戦の)マリ戦はシュートが当たっていたけれど、それ以外では攻めるチャンスが自分の中で見つけられずに試合を運んでしまいました。もう少し相手のアジャストに対し、指示を待つのではなく、自分でクリエイトしていたら。いいバスケットをするためにも、もっと工夫できた点はあったのかなという後悔や反省があります」

 東藤が主に課題に挙げたのはオフェンス。恩塚亨ヘッドコーチが掲げる『チャンスを逃さない』攻めで、東藤本人はチャンスを見つけられなかったと振り返ったが、今大会ではその『チャンス』の数が少なかったようにも感じた。

 これについて東藤は、「一番感じたのは、マリ戦以外、(2戦目の)セルビア戦以降は、フォワード陣やシューター陣に対してマークが、ヘルプに寄らずにずっとついていて、圧があったというか、守られているなと感じていました」と言う。それは、それまでの練習や国際強化試合ではなかったこととのことで、「この大会では、ズレを作れなかった。ズレのなさを感じました」とも語った。

 だからこそ、「オフボールのセットプレーがないので、そこを自分たちでクリエイトして、ズレを待つのではなく、作りにいけたら、流れの良いバスケットができたのではないかなと思います」と、東藤は先を見据える。

 一方、先にも挙げたように、自らが“及第点”としたディフェンスに関しては、「オリンピックのときは、がむしゃらに相手を止めるという気持ちだけでいっていたところがありました。でも、この大会では相手の苦手なプレーに追い込むというか、自分のマークマンの得意なプレーを止めてチームの狙っているディフェンスができたと思います」と、東京オリンピックよりさらに手応えをつかんだ様子をうかがわせた。

「セルビア戦以降は、しっかりアジャストされて、自分たちのやりたいプレー、得意なところを止められてしまい、困ったときの対処法もありませんでした。それは自分自身の経験や力量の差というのもあったと思うけれど、そういった迷いがどんどん積極性のなさにつながったメンタルもあって。それが3ポイントシュートにも影響したと思います」と、東藤は第1戦(対マリ)の4本のみに終わった3ポイントシュートについて触れた。

 さらに「ディフェンスをハードにやる分、オフェンスで判断する体力を残せなかったというか。それは普段では経験できなかったことで、(相手に)当たりの強さがあるときでも得点を取り切る力が大事だと感じました」と続けた。

 トップの日本代表として世界デビューを果たしたのが昨年の東京オリンピック。今回のワールドカップでは、そのときのような輝かしい成績は残せなかったが、「感じたことは多かったので次につなげられると思います」と、力を込める。

 攻防においてカギを握る存在。この敗戦にも止まることなく、東藤は、これからも理想とするプレーを追い求めていく。

取材・文=田島早苗