10月21日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」 Window5の直前合宿に参加する男子日本代表のメンバーが発表された。選ばれたのは、いずれも過去にホーバスジャパン招集歴のある選手たち。陣容も固まりつつある印象の日本代表だが、まだまだBリーグにはトム・ホーバスHCに勧めたい選手が数多くいる。そこでバスケットボールキングでは企画名を「ホーバスHCへの推薦状」と銘打ち、B1開幕から特筆すべき活躍を示している選手のなかから厳選した選手を紹介する。

◆■橋本竜馬(レバンガ北海道)

生年月日:1988年5月11日(34歳)
ポジション・身長:PG・178センチ

 橋本竜馬が今シーズン、元来から定評のあったディフェンスやリーダシップに加えて、オフェンス面でも躍進を遂げている。34歳の日本代表復帰があってもいいのではないだろうか。

 開幕から3勝6敗、東地区最下位と苦しい戦績のチーム状況ではあるが、橋本は平均得点(12.1)、FG成功率(53.4パーセント)、平均アシスト(3.8)でキャリア最高の数字を挙げている。3ポイント成功率(54.5パーセント)にいたっては、B1全体で1位と、トップリーグ12年目の司令塔による活躍が目を引く。

 2015年あたりからの数年間、橋本は日本代表に毎回、招集されており、2016年にセルビアで行われたリオオリンピック最終予選や2019年ワールドカップ・アジア地区予選などにも出場している。

 だが、この頃の橋本に期待されていた役割はディフェンスとリーダーシップだった。年齢のこともあってすでに代表は縁遠くなってしまった感があったが、今シーズンのオフェンス面での向上が「今一度、見てみたい」と思わせる。

 昨シーズンはフリースロー成功率でB1最高(92.0パーセント)を記録し、3ポイント成功率の面も含めて明らかにシューティングでタッチを掴んでいる。10月9日、アウェーでの三遠ネオフェニックス戦では、チームは敗れたものの、橋本自身は8本放った3ポイントのうち5本を沈め、23得点を挙げる活躍を見せた。

「ファイブアウト」のオフェンス戦術を採用し、3ポイントが打てることが必須条件となっているホーバスHC指揮下の日本代表でも、彼の外角からの得点力は生きるのではないか。今シーズンの橋本のeFG成功率(3ポイントが2ポイントの1.5倍であることを考慮に入れた数字で選手の得点効率の良し悪しを反映する)は68.0パーセントと驚異的と言っていいレベルにある。

 参考までに、日本屈指のシュート力を持つ富永啓生(ネブラスカ大学)が7月のFIBAアジアカップでマークしたeFG成功率は61.2パーセント。富樫勇樹(千葉ジェッツ)のそれは65.2パーセントと高かった。3ポイントの力量を高めた橋本の得点効率も、2選手同様、高いのだ。

 一方、橋本のフィジカルなディフェンスや強烈なリーダーシップも、ホーバスHCが自身の選手に求める素養だ。後者について同HCは背中で引っ張るだけでなく言葉においても味方を鼓舞してもらいたいと公言してきた。レバンガではキャプテンを担う橋本には「言葉」があり、総じておとなしい選手の多い現状の日本代表においても必ず重宝されるだろう。

 かつては「ディフェンスの人」として代表に招集されていた感の強かった男は、得点力を増して新境地を見出している。今の彼が同HCの下でどれだけやれるのか、興味がある。

文=永塚和志