10月21日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」 Window5の直前合宿に参加する男子日本代表のメンバーが発表された。選ばれたのは、いずれも過去にホーバスジャパン招集歴のある選手たち。陣容も固まりつつある印象の日本代表だが、まだまだBリーグにはトム・ホーバスHCに勧めたい選手が数多くいる。そこでバスケットボールキングでは企画名を「ホーバスHCへの推薦状」と銘打ち、B1開幕から特筆すべき活躍を示している選手のなかから厳選した選手を紹介する。

◆■小酒部泰暉(アルバルク東京)

生年月日:1998年7月15日(24歳)
ポジション・身長:SG・187センチ

10月22日と23日の宇都宮ブレックス対アルバルク東京戦は、どちらもA東京が終盤に逆転して競り勝つ展開だった。際立っていたのは堅守で、特に23日の第2試合は60-57のロースコアゲーム。A東京は45-53とリードされて第4クォーターのオフィシャルタイムアウトを迎えたが、その後の4分29秒は相手に4点しか許さなかった。

 宇都宮のエースは2021-22シーズンのB1チャンピオンシップMVP比江島慎。普段なら彼は第4クォーターの勝負どころで“主役”になって得点に絡むプレーを重ねてくる。しかし23日の第4クォーターは、比江島が0得点1アシストにとどまった。試合を通じても6得点しか挙げていない。

 試合を通じて比江島にマッチアップしていたA東京の“エースキラー”が小酒部泰暉だ。田中大貴の欠場も一因だが、30分以上コートに立って仕事をやり遂げた。

 デイニアス・アドマイティスHCは小酒部の働きについてこう述べる。

「本当にいい仕事をしたと感じています。まだまだ高いところを望んでいますが、数字に出ないDF面、ディフレクション、スティール、ハッスルプレーは彼の長所です。今日は比江島がブレックスのキープレーヤーということで、簡単にプレーさせない、フリーなスペースを与えてクリエイトさせないという狙いでした。小酒部がそこに対して強度の高いDFをやってくれました」

 小酒部もこう口にしていた。

「相手のキープレイヤーに、好きなようにやらせない仕事ができたと思うので良かった」

 小酒部は24歳で、187センチ・88キロのシューティングガード。神奈川大3年の在学中にプロ契約をかわし、直近の2シーズンは強豪のローテーションに入っている。オフェンス面の魅力もある選手だが、ディフェンスについてはすでに“代表級”のレベルだ。

 もちろん戦術理解、展開を読むバスケIQはなお残る伸びしろだが、アスリート性はB1のなかでも突出している。俊敏に重心移動、全身の細かい動きを繰り返す“しつこさ”は驚異的で、比江島の細かいステップにも難なく食いつる。A東京は相手のピック&ロールに対して“スイッチ”を多用するチームだが、小酒部はビッグマンにつくパワーも持ち合わせている。

 9シーズン在籍した菊地祥平が越谷アルファーズに移籍したA東京だが、エースキラーの役割は24歳の若者に引き継がれている。敵にすると嫌だが、味方にすると頼もしい――。小酒部はそういう存在だ。

 キーマンの持ち味をしっかり消せて、フィジカルで外国人に負けない。そんな小酒部のプレーは、国際試合でも見てみたい。

文=大島和人