10月21日、「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」 Window5の直前合宿に参加する男子日本代表のメンバーが発表された。選ばれたのは、いずれも過去にホーバスジャパン招集歴のある選手たち。陣容も固まりつつある印象の日本代表だが、まだまだBリーグにはトム・ホーバスHCに勧めたい選手が数多くいる。そこでバスケットボールキングでは企画名を「ホーバスHCへの推薦状」と銘打ち、B1開幕から特筆すべき活躍を示している選手のなかから厳選した選手を紹介する。

◆■八村阿蓮(群馬クレインサンダーズ)

生年月日:1999年12月20日(22歳)
ポジション・身長:PF・198センチ

「八村塁(ワシントン・ウィザーズ)の弟」という見方をされるのは宿命だが、偉大な兄と遺伝子を共有する八村阿蓮がその高い能力を開花させつつある。まだ粗さがあり発展途上ではあるものの、彼もまた日本代表でプレーする姿を見てみたい選手の一人だ。

 22歳の八村は、東海大学3年時にはサンロッカーズ渋谷で、そして昨シーズンは現所属の群馬でそれぞれ特別指定選手としてBリーグのコートに立っている。だが、SR渋谷では主力外国人選手が故障で不在だったこともあって10分以上の平均出場時間を得てはいたが、群馬では6分弱の出場にとどまっていた。

 しかし正式にプロ選手としてのデビューを果たした今シーズンは、平均16分超へと大幅に出場時間を増やしており、ローテーションに入っている。得点もこれまでの1点台から平均4.1点へと伸ばしている。

 パワーフォワード登録で大学時代はリング近くでプレーすることが多かったが、現在は実質、スモールフォワードとしてプレーしており、群馬のオフェンスがスペースを広く取ることと自身の外角シュート力の向上もあって、八村はオフェンス時にコーナーに位置取ることが大半だ。

 八村の高めてきた技量のなかでとりわけ目を引くのが3ポイントシュートだ。従前から外のシュート力の向上を課題と話していたが、個人トレーニングでかなりここの部分を強化してシーズンに入ったようだ。シュートタッチは以前よりもかなり柔らかくなり、アーチが高くなった印象で、その成果は42.9パーセントという今シーズンの3ポイント成功率に表れている。

 SR渋谷時代の八村に将来の代表入りへの意気込みを聞いた際、「個人のワークアウトなどでドリブルや3ポイントなどを練習してポジションアップしたい」「日本代表に入るためには3番(スモールフォワード)で結果を残す必要があると思う」と話していた。その言葉通り、今シーズン、彼のオールラウンダーとしての素質が開花し始めている。

 ただし、先述したようにまだ粗さがあるのは否めない。大学ではインサイドでやれていたが、プロレベルだとまだまだフィジカル面に課題があるように見える。群馬ではスモールフォワードでプレーすることのほうが多いとはいえ、張本天傑(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)や吉井裕鷹(アルバルク東京)、井上宗一郎らがそうであるように、よりポジションレスなバスケを展開するホーバスHCの日本代表においては、八村もパワーフォワードとしてプレーし、より万能さを示すことがロスター入りの条件だろう。

 いずれにしても、自軍でほとんど出番のなかった吉井や井上同様、豊かな才能を持つ八村も、ホーバスHCの代表で徹底的に鍛えられれば花びらをさらに大きく開く可能性があるのではないか。

文=永塚和志