ゴンザガ大学の八村塁にとって、今季公式戦13試合目は12月22日(現地時間21日)敵地サンディエゴでのサンディエゴステイト大学戦となった。

 前IUPUI(インディアナ大パデュー大インディアナポリス)戦に先発で出場し、16分の出場で4得点、2リバウンドだった。同試合ではマーク・フューヘッドコーチが、オーバータイムにもつれ込んだ末、ようやく勝利を手に入れたその前のノースダコタ戦で、ジョナサン・ウィリアムズとキリアン・ティリーの2人のビッグマンが合わせて9ターンオーバーを犯したことなどで、何か変化が必要と感じ、先発を入れ替えた。その結果、先発から外された2人は大活躍をして応えた。

 ただ、八村が「コーチもチームを作っている段階で、いろいろなことを試してやっています」というように、先発をこのまま固定するという保証はどこにもない。実際、フューHCは八村について「先発は、自分で奪うもの」と話しており、今後八村が自らその位置に辿り着く日を待っている。そして八村も、「これからどれだけ僕が絡めるかというのも大事じゃないかなと思います」と話すなど、それを意識して取り組んでいくつもりだ。

 何はともあれ、この日はこれまでの先発メンバーに戻り、八村はベンチからの出場となった。そして大きなインパクトを与える試合を披露した。

 前半7分プレーして5得点、1リバウンドだった八村は後半、ティリーがこの試合3つ目のファウルを取られた残り16分16秒からコートに入る。前半から常にサンディエゴステイト大にリードを与える状態が続いていたゴンザガ大は残り15分15秒で32−35。するとその26秒後、ゴール下でウィリアムズからパスを受けた八村がレイアップを決めて34−35とした。八村は11分06秒に一度引っ込んだが、残り7分14秒にティリーが4つ目のファウルを取られると再びコートに立った。

 そして43−49と6点ビハインドからの6分20秒。スティールを奪って自チームのザック・ノーベルJr.のレイアップに繋げ4点差とした。相手のサンディエゴステイト大は、残り4分48秒にダンクが決まったところで54−47と7点差とし、1万2,414席が満杯に埋まった会場が大いに盛り上がった。ところがその直後、八村がシュートを決めようとしてファウルを得て、フリースローを2本決めた。さらにその直後、相手が試みたレイアップをブロック。その40秒後には、八村の厳しいディフェンスの前に相手が動けなくなり、30秒バイオレーションでターンオーバーとなった。それで奪ったオフェンスで、八村はレイアップを決めるなどハッスルプレーでゴンザガ大に勝利の希望をつなげた。「すべてのゲームでアタックするという気持ちでやっています」と八村。「ただそれがなかなかうまくできない日もあります」というが、この日はゴンザガ大が大きくつき離されるピンチをことごとく救った。

 八村は、4点ビハインドで迎えた残り1分36秒にはうまく体を使ってファウルを得てフリースロー2本を決めて2点差に持ち込んだ。ゴンザガ大は結局70−72で今季3敗目(10勝)を喫したが、八村は試合終了までプレーし、最終的に19分の出場、ノーベルJr.の22得点に続くチーム最多の計13得点に加えて5リバウンド1アシスト1スティール1ブロックをマークした。

 試合後、フューHCは「ルイは今日いいことをたくさんし、試合を最後までやり遂げた」と話した。

 負けたとあって、試合後の八村は沈んでいたが、「今日やったようなプレー。ディフェンスをやってオフェンスもやってリバウンドもやってブロックショットもやってというような、(試合で)いろんなことをやるということ」を今後の目標に挙げた。そういう細かいことをコツコツ積み重ねていくことで、今後先発の座や、この日のように接戦で最後までコートを任されることを目指していく。

 ちなみに、この日八村が試合を行ったサンディエゴステイト大は、八村が目指す選手の1人であるサンアントニオ・スパーズのカワイ・レナードの母校であり、かつてレナードがプレーしたコートで八村もプレーした。

 「全然カワイ・レナードがプレーしていたような雰囲気はなかったんですけど」と八村。「でも、そういうところでやれたのも嬉しいなというのも1つあります」と曇った表情を和らげた。

 ディフェンスもやってオフェンスもやって、いろんなことをやって強豪スパーズを支えるレナード。彼がそのスキルを磨いたコートで、八村はこの日、向上につながるカギを見出したのかも知れない。

文・写真=山脇明子