◆「彼はものすごく調子がいいし、フロアのスペースを広げてくれている」

 11月21日(現地時間20日)のメンフィス・グリズリーズ戦で、ブルックリン・ネッツの渡邊雄太はキャリア最長となる4試合連続の2ケタ得点をマークし、127−115の勝利に貢献した。

 この試合ではケビン・デュラントが26得点7リバウンド7アシスト、ベン・シモンズが22得点8リバウンド5アシストを残したほか、出場停止処分から9試合ぶりに出場したカイリー・アービングが14得点5リバウンドを残すなど、計7選手が2ケタ得点をマーク。

 なかでも渡邊は、第4クォーターに4本連続で3ポイントシュートを決めるなどリード拡大を大きく後押しし、24分41秒の出場で16得点3リバウンド3アシストを残した。

 今シーズンの渡邊は、ここまで14試合の出場で平均18.2分8.1得点2.9リバウンドにフィールドゴール成功率60.9パーセント、3ポイントシュート成功率57.1パーセント(平均1.7本成功)を記録。特に3ポイントシュート成功率はリーグトップと、ベンチから貴重な役割をこなしている。

 グリズリーズ戦後に会場でインタビューに応じた渡邊は、最終クォーターに爆発できた要因についてこう話していた。

「チームメートたちが僕のことを信頼してくれています。彼らが最高のパスをくれるので、僕たちはオープンショットを打てています。それはチームの努力のお陰です」

 そしてホームでスタンディングオベーションを受けたことで「僕にとってものすごく大事なことです。ありがとうございます。僕たちは向上し続けていきます。皆さん、ありがとう」と、ファンへ感謝していた。

 試合後の会見で、デュラントは記者から「もし今3ポイントコンテストがあるとしたら、雄太とステフのどちらを選びますか?」と聞かれて「俺だね」と笑みを浮かべて切り返した。「その選択肢はなしで」と言われると「そりゃもちろんステフだ」と返答。

 ステフとはもちろん、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーのこと。デュラントはウォリアーズに3シーズン所属し、カリーらとともに2度の優勝を勝ち取ってきた。

 今シーズンのNBAで、渡邊は57.1パーセントで3ポイントシュート成功率が堂々リーグトップ。カリーはリーグ15位の44.7パーセントなのだが、試投数が平均3.0本の渡邊に対し、カリーは1試合同11.8本も放っており、5.3本も沈めている。

 リーグ屈指のスーパースターで、NBA史上最高の3ポイントシューターとしての地位を確立しているカリーと、ロールプレーヤーの渡邊を単純比較するのはさすがに酷なのだが、デュラントの渡邊に対する評価もなかなかのものだった。

「けど今の雄太は確実にショットを決めてくるだろうね。彼はものすごく調子がいいし、フロアのスペースを広げてくれている。それに彼はボールを持ってからドライブもしている。正しいプレーをしているんだ。正しいプレーをしていたら、ショットも打ちやすくなるんだ」

 NBAのレギュラーシーズンは82試合。現時点ではまだ20試合にも達しておらず、来年4月までの長丁場だけに、これからスランプに陥る可能性もゼロではない。ただ、デュラントは「俺たちは彼のエナジーが好きなんだ」と話しており、こうも口にしていた。

「彼がすべてのショットを決めていくとか、残りのシーズンで70パーセントの確率で決めるとは言わない。けどフロアの両エンドで堅実なプレーをすること。俺たちは今みんなにそれを期待している」

 NBAの1シーズンで、歴代最高の3ポイントシュート成功率となったのは2009−10シーズンにカイル・コーバー(当時ユタ・ジャズ)が残した53.6パーセント。もし渡邊がこのままの成功率をキープできれば、NBA記録を塗り替えることとなるのだが、これからマークが厳しくなる可能性も十分あることから、このさき成功率がダウンする可能性があることは否定できない。

 それでも、デュラントが語った“堅実なプレー”を攻防両面で続けていけば、今シーズンがNBAキャリアにおけるターニングポイントとなることは大いに期待できる。

 また、グリズリーズ戦後のデュラントのコメントや渡邊のコメントは、NBAの公式ツイッターやインスタグラムでも公開されて注目度が増していることは事実。もしこれから先も高確率に長距離砲を沈めていくことができるなら、来年のオールスターの3ポイントコンテストで、渡邊の名前が出場選手リストに載る可能性もありそうだ。

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