12月23日、初日を迎えた「ウインターカップ2017 平成29年度 第70回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。この日の最終ゲームには正智深谷高校(埼玉県)と福島南高校(福島県)が登場した。昨年の広島インターハイで3位に入った福島南は、前回のウインターカップにはシード校として東京体育館に乗り込んだ。しかし、初戦となった2回戦で洛南高校(京都府)に60−62で敗退。3年連続出場の今回はウインターカップ初勝利を果たしたいところだ。

 この試合、前半でリードは奪われたものの、気迫あふれる体を張ったディフェンスで正智深谷のオフェンスを要所で抑えて何とか食らいついていった。後半、さらに足を使ったディフェンスでプレッシャーをかけたかった福島南だが、こぼれ球になったリバウンドを正智深谷にコツコツを決められ、次第にリードを広げられてします。それでも諦めない福島南はオールコートのディフェンスで当たって活路を見出そうとするが、正智深谷は常田耕平(3年)が積極的に声を出してチームをまとめ、つけいる隙を与えなかった。

 試合後、福島南の水野慎也コーチは、「87点取られたうち、約20点はファストブレークでの失点。小さなチームが大きなチームに走り負けたら勝ち目がない。これがなければもう少しチャンスはあったと思う」と悔しがった。「冬場になると大きな選手も成長してくる。ウインターカップはインターハイよりも1ランク上の大会。ここで勝つにはまだまだ課題がある。努力を続けないと」と、ウインターカップ初勝利に向けて意を新たにした。

 そして、質問がチームのエース、半澤凌汰(3年)に及ぶと、水野コーチの表情がさらに厳しくなった。「正直、物足りない。ディフェンスのローテーションであったり、リバウンドがこぼれたところにいなかったりなど、チームの中心としてやってほしいことをやれていなかった。彼なりに頑張ってきたと思うけど、それを最後まで伝えきれなかった。それは私の責任」と、半澤への期待が大きいだけに厳しい言葉が出た半面、自戒の言葉も口をついた。

 半澤自身もその言葉の意味を十分理解をしている。「エースとして勝たせられずに悔しいです。ディフェンスのよりが思ったより早かったので、パスをさばくという考えが強くなってしまった。いつもどおりのプレーができませんでした」と、まず反省の弁を語った。

「大学に進学したら自分が活躍するにはどうすればいいか、それをしっかりと取り組みたいと思います。今日の試合でも周りが見えない時もあった。それをなくさないないと伸びてはいけない。そして、(水野)先生に自慢の選手と言われるように成長したい」と、決意ともとれる今後への取り組みを語ってくれた。

 半澤は188センチのサイズがありながら、ギャロップステップでステップインするフットワークを見せたり、3ポイントシュートを苦もなく軽々と打つオールラウンダー。将来大きく成長していくために、この悔しい敗退を財産にできるかどうかは、自身の今後にかかっている。

文=入江美紀雄