◆2016年に1勝3敗からの逆転劇を果たした経験を持つウォリアーズ
3勝1敗のシリーズで17戦無敗のレブロン「俺は心配していない」

 5月9日(現地時間8日、日付は以下同)に敵地クリプトドットコム・アリーナで行われた「NBAプレーオフ2023」のウェスタン・カンファレンス・セミファイナル第4戦。ゴールデンステイト・ウォリアーズはロサンゼルス・レイカーズに101−104で敗れたことで、1勝3敗の窮地に追い込まれた。

 ウォリアーズのステフィン・カリーは、この試合でゲームハイの31得点14アシストに10リバウンドのトリプルダブル。さらにアンドリュー・ウィギンズが17得点2スティール、先発起用されたゲイリー・ペイトン二世が15得点、ドンテ・ディビンチェンゾが10得点、ドレイモンド・グリーンが10リバウンド7アシストを記録。

 だがレイカーズはレブロン・ジェームズが27得点9リバウンド6アシスト、アンソニー・デイビスが23得点15リバウンド3スティール、オースティン・リーブスが21得点4アシストを残したほか、ロニー・ウォーカー四世が最終クォーターだけで15得点、デニス・シュルーダーが10得点をマーク。

「僕らとしてはいいショットがいくつもあったけど、それが入らなかった。でも最後まで戦い抜き、自分たちへ勝利を奪うチャンスを与えていた。第4クォーターで、僕らは17得点しかできなかった。タフな終わり方だ。ディフェンス面で、相手がアジャストしてきたことをフィルムで見なければいけない」(カリー)

 ウォリアーズは約26分間にわたってリードを保持し、最終クォーターを迎えた時点で7点をリードしていた。だが最後の12分間で伏兵ウォーカー四世の爆発を許し、逆転のチャンスは何度もあったのだが、結局チームは17得点で失速。

 フランチャイズ史上2度目の連覇を目指すウォリアーズにとって、1勝3敗という戦績はどう見ても形勢不利という状況に。このチームはプレーオフのシリーズで1勝3敗に追い込まれてから1勝14敗という絶対的に不利なデータがあるものの、カリー、クレイ・トンプソン、グリーンという“ビッグ3”とスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)、アンドレ・イグダーラはその唯一の1勝を経験していることは見逃せない。

 2015−16シーズンにNBA史上最多勝記録を塗り替える73勝9敗をたたき出したウォリアーズは、カンファレンス・ファイナルでケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)、ラッセル・ウェストブルック(現ロサンゼルス・クリッパーズ)擁するオクラホマシティ・サンダーに1勝3敗と追い込まれるも、カリー、トンプソンの大爆発もあって挽回し、3連勝を飾ってシリーズを制した。

「僕らはこれまでにも歴史を作ってきた。ゴールはホームで1勝すること。自分たちに何ができるかは分かっている。ホームコートでやるべきことをやるんだ。目の前のことに集中し、先のことを見据えないこと」とトンプソンは言う。

 また、カリーも2016年に1勝3敗から3連勝でシリーズを制したことをふまえて「この状況を解決できるんだという経験を、自信として捉えて臨んでいくのは間違いないね。もちろん、まずは第5戦で勝つことにフォーカスしている。終わりまで早送りすることなんてできないからね」と口にし、さらに「でも僕らには今夜の試合から良い部分を取り入れるという自分たちの能力にはすごく自信がある。今やるべきことはそれなんだ。この負けがどれだけつらいことだったとしても、積極的な態度を保っていかなきゃ。まだまだ先は長いんだ」と話していた。

 ただ、レイカーズには百戦錬磨のレブロンがいる。NBA史上最多となる276試合のプレーオフ出場経験を持ち、デレック・フィッシャー(元レイカーズほか)と並んで歴代最多タイとなるシリーズ40勝を誇る38歳の大ベテランには、これまでに3勝1敗としたシリーズでは17戦負けなしというデータもある。

 11日にウォリアーズのホーム、チェイス・センターで迎えるシリーズ第5戦に向けて、レブロンは「俺たちなら準備を整えることができると思う。ゴールデンステイトでプレーするうえで重要なのは、リラックスする機会なんてないということ。絶対にしてはいけない。だから俺は心配していない。ゴールデンステイトと戦うのだから、快適になることなんてない。そんなの不可能だ」と気を引き締めていた。

 カリー、トンプソン、グリーンという現役最強のビッグ3を擁するウォリアーズが、バスケットボール界の“キング”相手にシリーズを引き延ばすことができるのか。11日のシリーズ第5戦は両チームにとってタフで、きわめて重要なものとなるだけに必見だ。

【動画】シリーズ第4戦の終盤をハイライトでチェック!