◆NBA史上5人目の16シーズン連続勝ち越しを記録もイースト準決勝を突破できず 
後任候補にはボーゲルやブーデンホルザー、ナースら大物が並ぶ

 5月17日(現地時間16日、日付は以下同)。フィラデルフィア・セブンティシクサーズは、ドック・リバースHC(ヘッドコーチ)と決別することを発表した。

 リバースはフランチャイズ史上25人目の指揮官として2020−21シーズンに就任。ジョエル・エンビードというリーグ最高級のビッグマンを中心とした布陣でシクサーズはリバースHCの下で2022−23まで3シーズン(チーム全体としては6シーズン)連続でプレーオフへ出場。だがリバースHCが指揮を執ったシクサーズは3年連続でカンファレンス・セミファイナル敗退。2021年はアトランタ・ホークス(3勝4敗)、2022年はマイアミ・ヒート(2勝4敗)、今年はボストン・セルティックス(3勝4敗)にカンファレンス決勝の道を阻まれた。

 今シーズンのシクサーズは、MVPに初選出されたエンビードを筆頭に、ジェームズ・ハーデン、タイリース・マクシー、トバイアス・ハリス、PJ・タッカー、ディアンソニー・メルトンらを擁し、イースタン・カンファレンス3位の54勝28敗をマーク。

 オフェンシブ・レーティングで117.0(3位)、ディフェンシブ・レーティングでも112.7(8位)を残し、いずれもリーグトップ10に入った3チームのうちの1つとなり、54勝はアレン・アイバーソン(元シクサーズほか)を中心とした布陣でNBAファイナル進出を果たした2000−01シーズン(56勝26敗)以来としては最多の勝ち星だった。

 リバースHCはこれまでオーランド・マジック、セルティックス、ロサンゼルス・クリッパーズ、シクサーズで指揮を執っており、2007−08シーズンにセルティックスで優勝を経験。さらに2007−08から2022−23まで、16シーズン連続でレギュラーシーズン勝ち越しを記録。

 『ESPN Stats & Info』によると、16シーズン以上もレギュラーシーズンで連続して勝ち越してきた指揮官はNBA史上5人のみ。サンアントニオ・スパーズのグレッグ・ポポビッチ(22シーズン連続)、シカゴ・ブルズとロサンゼルス・レイカーズで指揮を執ったフィル・ジャクソン(20シーズン連続)、レイカーズやニューヨーク・ニックス、ヒートで指揮官を務めたパット・ライリー(19シーズン連続)、そしてユタ・ジャズのジェリー・スローンとリバースHC(いずれも16シーズン連続)だ。

 だがシクサーズはリバースHCを解任したことで、新たな指揮官を選定していくこととなる。『ESPN』によると、その候補にはアシスタントコーチのサム・カセール、マイク・ダントーニ(前ヒューストン・ロケッツHC)、フランク・ボーゲル(前レイカーズHC)といった人物。

 そして今シーズン終了後に解任されたマイク・ブーデンホルザー(前ミルウォーキー・バックスHC)、ニック・ナース(前トロント・ラプターズHC)、モンティ・ウィリアムズ(前フェニックス・サンズHC)が含まれており、どの人物が後任となるかは気になるところだ。