◆プレーイン出場圏外から挽回し、カンファレンス決勝進出を果たす

 5月24日(現地時間23日、日付は以下同)。ロサンゼルス・レイカーズは2022−23シーズン終了会見を行ない、「NBAプレーオフ2023」を戦い終えた選手たちが会見に応じた。

 今シーズンのレイカーズは、ダービン・ハム新HC(ヘッドコーチ)の下、開幕5連敗スタートを切り、12試合を終えて2勝10敗と大きく負け越した。そうしたなか、このチームで2枚看板を務めるレブロン・ジェームズ、アンソニー・デイビスを中心に奮戦。

 そして今年1月下旬にワシントン・ウィザーズとのトレードで八村塁、2月10日のトレードデッドラインでは2つのトレードを断行してディアンジェロ・ラッセルやジャレッド・バンダービルト、マリーク・ビーズリー、モー・バンバらを獲得。レギュラーシーズン最終日にはトリスタン・トンプソン、シャキール・ハリソンと契約を結んだ。

 大混戦のウェスタン・カンファレンスでプレーイン・トーナメント圏外へ沈みながら、レイカーズは2枚看板に加えて2年目のオースティン・リーブス、ベテランのデニス・シュルーダー、そして新戦力たちの活躍もあり、オールスターブレイク後にリーグベストの16勝7敗と調子を上げ、ウェスト7位の43勝39敗でレギュラーシーズンをフィニッシュ。

 ミネソタ・ティンバーウルブズとのプレーイン・ゲームを延長の末に制し、第7シードとして2年ぶりのプレーオフ出場を果たすと、ファーストラウンドでは第2シードのメンフィス・グリズリーズ、カンファレンス・セミファイナルでは第6シードのゴールデンステイト・ウォリアーズをそれぞれ4勝2敗で下し、カンファレンス・ファイナルまで勝ち上がった。

 第1シードのデンバー・ナゲッツとのウェスト決勝では4連敗でスウィープ敗退に終わったものの、レイカーズのバスケットボール運営部副代表兼GM(ゼネラルマネージャー)のロブ・ペリンカはこう話していた。

「我々はウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで勝ち進んだこのグループのことが非常に誇らしいです。トレードデッドラインのあと、このチームはリーグでもトップの1つに入りました。私はこのチームを継続させることがとても重要になってくると見ています。我々は最後に密接な関係を構築したチームにノックアウトされました」

「我々にとって、継続することが優先度の高いことです。ロッカールームには素晴らしい選手たちがおり、このグループを形成していると感じています。互いにプレーすることを楽しみ、ダービンは彼らをコーチすることを楽しんでいます。トレーニングキャンプから集まれば、このチームにはさらに成長し、改善していく余地があると分かっています。ですので、私はこのチームのコアとなる選手たちをキープしていくことを優先していきます」

◆八村やリーブスなど2枚看板を除く主要選手の多くがFAに… 
「コアとなる若い選手たちをキープしていく意向」とペリンカGM

 プレーオフ敗退後、レブロンが引退について考えていくと話していただけに、38歳の大ベテランの動向については引き続き見守っていくことになるのだが、レイカーズがただそのまま待機しているわけにもいかない。

 というのも、来シーズンも契約下にいるのはレブロン、デイビス、バンバ、バンダービルト、マックス・クリスティ、ハリソンのみ。ビーズリーの契約はチームオプションで、ラッセルにシュルーダー、ロニー・ウォーカー四世、トロイ・ブラウンJr.などが制限なしフリーエージェント(FA)、そしてリーブスと八村が制限付きFAとなる。

 ただ、レブロン、デイビスが在籍している間に球団史上18度目の優勝を目指すことから、今夏レイカーズは大物獲得に動くことになるかもしれない。『ESPN』はクリーブランド・キャバリアーズでレブロンと優勝を勝ち取ったカイリー・アービング(ダラス・マーベリックス/制限なしFA)、トロント・ラプターズのフレッド・バンブリート(プレーヤーオプション)、『The Athletic』はアトランタ・ホークスのトレイ・ヤング(2025−26シーズンまで契約下)を狙うかもしれないと報じている。カイリー獲得については頻繁に噂になっており、バンブリートとヤングの代理人はレブロンやデイビスと同じ『Klutch Sports Group』のリッチ・ポールが務めている。

 とはいえ、レブロンとデイビスにもう1人のオールスター級の高額年俸の選手を加えると、ロスター全体のバランスを欠き、選手層も薄くなってしまうため、本格的に狙うかは微妙。ペリンカGMは会見でこうも話していた。

「我々はコアとなる若い選手たちをキープしていく意向です。塁とオースティンには信じられないほどの成長と成果が見てとれました。そのリストはバンドゥ(バンダービルト)とD-Lo(ラッセル)にも及びます。このチームには素晴らしい若手選手がたくさんいます。またパズルをフィットさせるべく、ベストを尽くしたい」

 ナゲッツとNBAファイナル進出をかけて戦ったウェスト決勝で、レブロンとデイビスに次ぐプレータイムと得点を残したのはリーブスと八村。ペリンカGMが最初に名前を口にしていたことからも、レイカーズは今夏のFA戦線で両選手との再契約を最優先事項と捉えて動くことだろう。

 プレーオフの活躍によって評価が上昇し、年俸が高騰する可能性は十分ありそうだが、その場合はチームの将来をかけて高額契約を締結、あるいはサイン&トレードを駆使して別の選手を狙うかもしれないが、いずれにせよ、レイカーズはプレーオフでコアメンバーとして活躍した若手たちとの再契約を重視していると言っていいはずだ。

【動画】ウェスト決勝第4戦の終盤をハイライトで!