2月20日(土)全日本プロレス名古屋国際会議場大会にて、世界ジュニアヘビー級王者・岩本煌史に#STRONGHEARTSのCIMAが挑戦する世界ジュニアヘビー級選手権がおこなわれる。

前日にZERO1後楽園大会に参戦し、居住地の大阪へ空路帰る直前のCIMAに羽田空港にてインタビューを敢行した。

――コロナ以降のCIMA選手の活動状況は?
「この2月で、もう一年間海外にいけていません。デビューしてからこんなに海外にいっていないことは初めてですね」

――WWEと並ぶアメリカのもう一つのメジャー団体であるAEWとの契約は?
「AEWと話をし、その提携先であるメキシコのAAAにも参戦すべく、去年の夏から#STRONGHEARTS全員でメキシコに住み、アメリカとメキシコの両国で活動する予定だったんです。しかしコロナの影響で計画は白紙になってしまいました。そのまましばらく待っていたのですが、待っているだけで時間が過ぎていく…だけではいけないですし。そして、僕たちはT-Hawkやリンダマンらとグループで動いているので、彼らがいちばん動ける時期に、無駄な時間を過ごさせるわけにはいかなかったという判断がありまして。どこかで決断する必要があった。それがきっかけで決断し、2021年は日本中心で活動していこうと」

――そのような経緯で日本を主戦場とした割には、現在ものすごい試合数ですね?
「今現在どれくらいの数の試合をこなしているのかは…数えたことがないので、正直わからないです。基本的に、声をかけてくれる団体があれば無差別に出場させていただいています。そして全身全霊で試合をし、今回だったら岩本選手の世界ジュニアのベルトをブン取って…そいう活躍こそが、呼んでくれた団体への恩返しだと全員が思っていますので」

――CIMA選手にとって、全日本プロレスとはどのような団体なのでしょうか?
「全日本プロレスさんのことは、一年くらい前までは意識したことすらありませんでした。昨年12月に一度上げていただいたときも、所属選手の名前すら正直よく知らなかったです。中学生の頃はTVでいつも見ていましたよ。しかしルチャにハマり始めてからは、やっぱりルチャがいちばん好きになってしまったので。全日本さんへのイメージは、僕が見ていた頃はジャイアント馬場さんが活躍していたのでスーパーヘビー級のプロレスというイメージですね」

――現在世界ジュニアヘビー級王者である岩本選手については?
「本当のことを言いますと、岩本選手にタイトル挑戦の挑発映像を送り付けたとき、僕は岩本選手を『稲本選手』だと勘違いしていたくらいなんです。なので、名前を挙げた後に撮り直しをしたほどでした。しかし挑戦が決まったいまでは全日本プロレスTVに加入し、一日一試合ずつ岩本選手の試合を見ているくらい熱心に研究しています」

――レスラーとしての岩本選手の印象は?
「彼はジュニアヘビー級ですけれど、僕らがやってきたジュニアジュニアした試合はしていないようなイメージがあります。色々調べて知ったのですが、彼は柔道出身ということでどっしりした感じがあるし、年齢的な部分で言っても僕よりは全然素早い動きもできる選手かと」

――そんな岩本選手とCIMA選手の違いはどういった部分でしょう?
「これは僕の主観ですので違う意見もあるとは思いますけど、僕との一番の違いは…『華』です。プロとしての『華』。僕ら#STRONGHEARTSがよその団体に呼ばれていちばん嬉しいのは、試合が終わった後に『ストハーが出てきただけで会場の空気が変わった』とか『会場が明るくなった』とか、そういったことを言ってもらえるときがいちばん嬉しいんですね。そして、僕的には岩本選手にそういう『華』という部分は感じなかった…あ、12月に全日本さんに出たときは、宮原選手には『華』を感じました。そう、宮原選手には大いに『華」を感じましたね」

――プロレスにおいて『華』とはいったい何なのでしょう?
「『華』とは…例えば、太陽のような選手がいて、月のような選手もいて、光がいて、影がいて…それでこそのプロレスだとは思うんですけれども、そういう点では、昨年末に組ませていただいた宮原選手は太陽だったと思うんです。岩本選手は…土星ですかね。そう、土星かもしれない。硬いイメージ。僕もまだ彼のことは映像でしかよく知らないんですけれども、とにかく硬いイメージしかない。僕の挑戦Vに対する彼の返しも、凄く凄く硬いな、と。とにかく硬いなと。だけど、僕はそれが良くも悪くも全日本さんのスタイルなのかな?と思いました。そして、そういうところに僕のような選手が投下されれば、これまでにはない化学反応が起こるのではないか?と。プロレスは同じスタイル同士で競い合うのも楽しいとは思いますが、やはり異なるイデオロギー同士が闘争するというのもひとつの醍醐味かと思いますので」

――王者に対し余裕を感じているということでしょうか?
「いえ、そんなことは微塵も思っていません。僕はこれまで色々なプロレスを経験してきているし、岩本選手より名前も経験も上だとは思っています。しかし、今回は挑戦させてもらう立場なんです。なので、ナメてるだとか、上から目線だとか、そういう気持ちは全くないし、本当に毎日毎日必死に彼のことを研究しているんですから。全てを、CIMAの全てを晒け出し、全力でベルトを獲りにいくつもりです。そういえばシングルのタイトルに挑戦するのは前回がいつだったか思い出せないくらいですので。こういう機会は今後も頻繁にあるとは思っていないので、久しぶりに自分自身にテンションが上がっています。自分自身の課題も日々作りながら、決戦の名古屋大会当日を迎えるべく動いています」

――もしもCIMA選手が世界ジュニアを奪取したら全日本ジュニアはどのように変わると思いますか?
「どんな化学反応が起きるのか…それは自分でも想像がつかないですね。そもそも今回世界ジュニアに挑戦表明した時点で、僕の周囲のリアクションが凄まじかったんです。それはイコール全日本プロレスというブランドの証明であると思うし、世界ジュニアというベルトのバリューだと思います」

――それにしてもCIMA選手ほどのキャリアの選手が全日本プロレスTVで若き王者の試合を研究するというのは、この試合にかける並々ならぬ覚悟を感じますが
「僕らはですね、後がないんですよ。将来的にはT-Hawkやリンダマンも全日本さんに上げていただけるよう持っていきたいんです。そのためには、先陣を切る切り込み隊長のCIMAがコケてしまったら、もう後がない。僕らは誰がどの団体にいくときも、そういう気持ちで戦っています。だから今回は、岩本選手を完全にロックオンしています。本気でロックオンしている。今回、プロレス系のサブスクに加入したのなんて本当に初めてなんです。それくらい本気です。世界ジュニアのベルトは、絶対に奪います」

――最後に、CIMA選手の考える理想のチャンピオン像とはどのようなものでしょうか?
「チャンピオンにとって大事なことは…ありきたりな言い方の羅列になってしまいますが『責任感』とか『嫌われる勇気』『団体のためなら反感買っても突き進むブレないない気持ち』が大事だと思います。これは上から目線での発言だとか、そういう意味には決して受け取っていただきたくはないのですが…岩本選手は、まだまだ発展途上のレスラーだと思います。彼とはまだほぼ初対面なので何とも言えないんですけれども、自分自身を覆う殻をもっともっと破る必要があるのではないかと。映像で見ているだけですが、まだまだ殻が何重にも付いている。だからこそ発展途上なんですが。もっともっと、酸いも甘いも経験して、天国も地獄も経験して…そうすれば、間違いなく凄いチャンピオンになって全日本プロレスさんを引っ張っていける存在になるはず。それくらいの器であることも間違いないと思います」

24年間、世界各国で戦ってきたCIMAが、いま本気で、なりふり構わず世界ジュニアのベルトを狙っている。その背後にあるものは#STRONGHEARTSの生き残りをかけた『後がない』という決死の覚悟。王者・岩本は全日本プロレスの威信をかけ、CIMAを退けることができるのか?2月20日・名古屋国際会議場大会。いまどんどん変化を遂げつつある全日本プロレスに、また新たなイデオロギーを掲げる『史上最大の覚悟を持つ』挑戦者が引き寄せられてきた。

文…日々樹アキラ