“邪道”大仁田厚の長年の悲願がついに成就した。現地10月31日(日本時間11月1日)、米国のハードコア団体H20が主催したビッグマッチ「DESTINY」(米ニュージャージー州トレントン市トレントン・サンダー球場、協力=FMW-E)に大仁田が出場し、ハロウイン仕様の電流爆破で米国の大観衆を熱狂させたのだ。

 17年8月5日(現地時間)、大仁田は米CZWに遠征して電流爆破を行ったが、現地で用意された技術者が担当したため、爆破の破壊力は日本でのそれには遠く及ばず。今年3月7日(同)、AEWがフロリダ州でケニー・オメガVSジョン・モクスリーによるAEW世界選手権戦を有刺鉄線電流爆破で実施したが、迫力に欠け、大仁田のもとには米国の多くのファンから「オーニタのホンモノの電流爆破が見たい」とのメッセージが寄せられた。

 米国のファンの声に後押しされる形で、大仁田は爆破に特化した団体FMW-Eを7月に旗揚げし、世界に向けインターネットで配信した。そんななか、H20から熱烈なオファーを受け、米国での電流爆破実現に再び動いた。対戦相手には、大仁田の米国のライバルで昨年10月に引退していたマット・トレモントが名乗りを挙げ、この一戦のために復帰。大仁田陣営は5年前のCZWの際の轍を踏まぬため、今回は専任の電流爆破、有刺鉄線の技術者を3人帯同し、万全な体勢で臨んだ。

 その大仁田VSトレモント戦の試合形式は事前に公表されていなかったが、フタを開けて見れば、通常のメイド・イン・ジャパンの電流爆破をハロウイン仕様にアレンジしたものだった。ロープ2面に有刺鉄線が巻かれ、4つのコーナーに蛍光灯束を、場外に有刺鉄線ボードが設置され、1面のエプロン下には有刺鉄線バリケードマット地雷ボートが置かれた。

 グレート・ニタ風のコスチュームで入場した大仁田は場外で綠の毒霧を吹きオリエンタルムードを漂わせた。リングインすると、有刺鉄線バット、イス、蛍光灯束でトレモントに先制攻撃。場外戦から戻ると、トレモントは蛍光灯束で殴り、その破片で大仁田の額を攻撃。さらに赤の毒霧を噴射したが、大仁田が蛍光灯束で逆襲。トレモントが有刺鉄線バットで殴打しようとすると、大仁田は赤の毒霧で視界を遮断。蛍光灯束で頭、腹をたたき、有刺鉄線バットで背中を一撃すると、地雷ボードに蹴り落とした。すると、すさまじい爆破とともに無数の花火が発射され、ハッピーハロウインを祝う形になった。

 トレモントはなんとかリングに生還したが、大仁田は顔面に火炎攻撃。続けて、起動スイッチを押して、初公開の爆破蛍光灯でぶっ叩くと、これまたすさまじい爆破となった。トレモントがカウント2で返すと、大仁田は有刺鉄線ボードを持ち込み、その上にガソリンと思われる液体をまき、大きな炎が立ち上がった。大仁田はその炎のなかに、トレモントを押し込んでダメージを与え、3カウントを奪取した。

 当初、日本で行っている電流爆破のスタイルを輸出するものと思われたが、ハロウイン当日とあって、花火や爆破蛍光灯を初披露。その威力に米国のファンを驚がくし、日本でインターネットで視聴したファンの度肝も抜いたようだ。

 まさに大仁田流の粋な計らいで米国でも大成功となった電流爆破だが、すでにフロリダやカリフォルニア州ロサンゼルスなどから引き合いが殺到しているという。10月25日で64歳を迎えた大仁田だが、電流爆破を引っ提げた米国行脚が続くことになりそうだ。

 また、同大会で「保坂秀樹メモリアル〜デスマッチランブル」が行われ、チェーンソー・トニー、ローライフ・ルイ、カサノバ・バレンタイン、ルーカル、ドリュー・ブラッド、ロビー・モリノ、ショーン・ヘンダーソンら総勢20名のレスラーが、それぞれ凶器を携えてリングに上がって闘い、保坂さんとも交流があったトニーが優勝した。