24日、東京都・後楽園ホールにてDDT『Summer Vacation 2022』が開催され、遠藤哲哉が復帰戦を行った。

 遠藤は第78代KO-D無差別級王者として臨んだ6月12日の『CyberFight Festival 2022』の6人タッグマッチにて、プロレスリングNOAHの中嶋勝彦の張り手を顔面に受けて脳震盪を起こしレフェリーストップ負けを喫した。この一連の騒動はプロレス界でファン・関係者を問わず多くの論争を巻き起こし、未だにその残火はくすぶり続けている。
 これに伴って遠藤は欠場に入り、「DDTの最強を決めるKODトーナメントを欠場する自分がKO-D無差別級を所持し続けることに違和感を覚えます」として同王座を返上。

 今月3日の後楽園ホール大会に登場した遠藤は「DDTのチャンピオンとしてトップに立つ人間として決して見せてはいけない姿を見せてしまったと思います。自分のことが本当に情けなく思っております。当事者の自分自身は中嶋選手の張り手に耐えられなかった自分の負けだと思ってます。僕に黒星が付いた。それが現実だと思ってます。リング上で起こることは全て現実なので、僕はもうその現実を受け入れて7月24日から新たな遠藤哲哉のプロレス人生を歩んでいけたらと思ってます」とあの日の敗北を悔いつつも、ゼロからのスタートを誓っていた。

 この日の大会スローガンは『恥をかいた人間にしか紡げないドラマがある』と遠藤の再起を表すものとして設定。遠藤の復帰戦は、遠藤哲哉&秋山準&クリス・ブルックスvsHARASHIMA&坂口征夫&高尾蒼馬の6人タッグマッチで実施された。

 いつにも増してバキバキの身体を仕上げてきた遠藤は敵味方全員と握手を交わしてから試合に臨み、試合勘を取り戻そうとするかのように基礎に忠実なレスリングを展開。
 HARASHIMAは遠藤を試すかのように顔面に張り手を叩き込むが、遠藤は怯むこと無く突貫。これを受けたHARASHIMAは満面のスマイルを浮かべて「復帰おめでとう!」と声をかけながら串刺しダブルニーアタック。
 坂口も容赦のないエルボーやサッカーボールキックを打ち込み胴締めフロントネックロックで仕留めにかかるが、遠藤はぶっこ抜いてブレーンバスターで叩きつける驚異のパワーを見せて秋山へとつなぐ。勢いに乗った秋山&クリスが大立ち回りを演じ、最後は遠藤と高尾の対面に。
 遠藤は突っ込んでくる高尾をフランケンシュタイナーで場外に放り出し、サスケスペシャルまで見せるが、コーナーに上ったところを高尾に撃ち落とされ、坂口の神の右膝からHARASHIMAのダイビング・ボディプレスが炸裂。高尾もシュバインからマッドスプラッシュを放つが遠藤が剣山で迎撃。遠藤は突っ込んでくる高尾をスパニッシュフライで叩きつけ、トーチャーラック・ボムから完璧なバーニングスター・プレスを決めて3カウントを奪った。

 バックステージに戻った遠藤は「42日ぶりの試合、やっぱリング上ってこんなにキツいんだなっていうのと、生きてる感じがしました。リングに上がる以上、無事にリングを降りられる確証は無いんで、今日復帰戦を終えて勝てたってことは自分の中で、デビューしてから今日の勝利が一番嬉しいくらいまでありますね」と語り、復帰まで支えてくれた全ての人の気持ちを背負って闘ったという思いを吐露した。

 一方、どインディー時代からDDTで様々な体験を経てきたHARASHIMAは「『恥をかいた人間にしか〜』ってことを遠藤は言ってるけど、僕らは恥かきまくってるから一々覚えてないよ(笑)なんなら、恥をかきつづけてきたから今があると思ってるから。今回のことでプロレスラーとしての人間味が増したというか、プラスにしかなってないと思う。今日結果を出したわけだし、DDTのプロレスを楽しんでこう。それだけ」と爽やかに笑う。
 そして今日がちょうどプロレスデビュー10周年であったという坂口は「俺にとってもいい記念試合だったよ」と朗らかな笑みを見せた。

 また、この日のメインイベントでは、現KO-D無差別級王者の樋口和貞が吉村直巳とともにKO-Dタッグ王座を戴冠し二冠王を達成。樋口が8月20日の大田区総合体育館大会での挑戦者に指名する形で遠藤をリングに呼び出す。
 これを受けた遠藤は「俺はそのベルトをまた巻いて、DDTのトップに立つことによって支えてくれた全員に恩返しがしたい。これは樋口からの指名ではなく、俺の気持ちで8月20日、大田区総合体育館、KO-D無差別級王座に挑戦させてくれ!」と呼応し樋口とガッチリ握手。
 新たなスタートを切った遠藤がまたDDTの頂点に立つ日は遠くはないかもしれない。