13日、東京都・後楽園ホールにてガンバレ☆プロレス『ULTRA SOUL 2022』が開催され、今成夢人が入江茂弘を撃破してスピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級王座の2度目の防衛に成功した。

 ガンプロとは、悪い女に騙されたりホームレスになったりと生来の逃げ癖からズンドコ人生を歩んできた大家健が『もう一度プロレスをメジャーなスポーツにしたい!』という熱い想いを持って、自らの境遇の袋小路に入っていた今成夢人らとともに2013年に旗揚げした団体。
 波口修率いる浪口軍や、シバター率いる炎上軍などとの抗争を行いながら、それぞれの人生やプロレスラーとしての生き様を赤裸々に見せる闘いに、観客も日々を頑張って生き抜く糧としてファミリーのように成長を見届けてきた。
 2015年には藤田ミノルの試合後の激白が話題を呼び、2016年には日本インディー大賞のベスト興行賞を受賞するなど成長を続けるが、2017年に株式会社DDTプロレスリングがサイバーエージェントグループ入りすると、ガンバレ☆プロレスもサイバーグループ入りしメジャー団体と言える立場に。
 翔太、岩崎孝樹、石井慧介、勝村周一朗、まなせゆうな、YuuRI、渡瀬瑞基と着実に仲間も増えていくが、メジャー入り後の団体の空気と結婚して落ち着き始めた大家に反発した今成夢人が『今成革命』を宣言。以降はぽっちゃり女子プロレス旗揚げや、大谷晋二郎とともにホットジャパンを結成し、アジャコングやエル・リンダマンなども参加するプロレス業界を股にかけた一大勢力へ。スピリット・オブ・ガンバレ世界無差別級王座が設立されると、初代王者となった高岩竜一から今成がベルトを奪還するなど、いつしか大家ではなく今成が団体の中心となっていった。
 そして、7月10日にはガン☆プロ史上最大のビッグマッチである大田区総合体育館が行われ、今成が大家健を破ってガンバレ王座を防衛し、名実ともにガン☆プロの顔は今成になった。

 そして今成は、2度目の防衛戦の相手として入江茂弘を指名。
 今成はその理由を「2020年10月6日の後楽園大会で『たった一人メインイベントに出るべき人間じゃなかった』と言われました。あのときの言葉、ひとときも忘れたことはありません」と語り、「僕が入江さんに挑戦したい!」と、入江だけではなくあの日の自分を超えるための闘いでもあることを明かしていた。

 試合が始まると、今成がどっしりとリング中央に構える入江にガムシャラにぶつかっていくという“挑戦者”としての意地を見せるが、カウンターのラリアットを食らってダウン。セコンドに付いた仲間たちの必死の声援でなんとか立ち上がるも足元はふらつき、あわや数分でリングアウト負けという場面も見られた。
 深手を負い気合と根性を武器に突貫していく今成は、入江のビーストスプラッシュを剣山で迎撃してチャンスを作り、ブレーンバスター、スーパーフライと連撃。雄叫びを上げながらのラリアットで入江の巨体をなぎ倒し、タイガードライバーまで決めて見せる。
 入江も怯むこと無くキャノンボールで圧殺し、エルボーパッドを放り捨ててから抜き身のビーストボンバー。これで終わりかと思われたが今成は気迫のキックアウトを見せ、入江は驚愕の表情。
 入江は「立てよ、今成!」と今成の覚悟を問い、今成が起き上がってくるたびに強烈なエルボーバッドでなぎ倒す。半死半生の今成だったが、腹の底からの雄叫びを上げ続けることで意識をつなぎとめ、再びビーストボンバーがクリーンヒットしても2.9でキックアウト。再び放たれたビーストボンバーをかわして胴絞スリーパーホールドに捕らえ、暴れ馬のごとく猛り狂う入江に振り回されながらも絶対に離すまいという執念で食らいつき、ついに入江がタップ。今成が過去を乗り越える勝利を収め2度目の防衛に成功した。

 しかし、入江はスッと立ち上がって誰の手も借りること無く早足でリングをあとに。一方の今成は目もうつろで朦朧とした様子。なんとか立ち上がってベルトを受け取り拳を突き上げたもののその後はコーナーにもたれかかりながらぐったりと座り込み、「入江さん、ありがとうございました」と言葉を絞り出すのがやっと。目の前にハートリー・ジャクソンが現れて挑発的な挑戦表明を行っても反応できず、ぼぅっと眺めるしか出来ずにいた。
 その後は急遽大家がマイクを取って大会を締めにかかり、今成は締めの「We are ガンバレ☆プロレス!」のコールに参加せず退場。今成も入江もノーコメントで会場を後にした。

 自らへの甚大なダメージと引き換えに相手に少しずつダメージを与えていく“骨を断たせて肉を切る”とも呼べる捨て身の戦法は今成に大きなダメージを残した。次は入江よりもさらに体格の大きいハートリー・ジャクソンを相手取るということもあり、今成の試練は続いていくことになりそうだ。