28日、東京都・後楽園ホールにてDDT『Sweet Dreams!2024』が開催。納谷幸男が上野勇希の持つKO-D無差別級王座に挑むも戴冠を逃した。

 “横綱”大鵬の孫であり“関脇”貴闘力の長男である納谷は2017年に“初代タイガーマスク”佐山サトルの指導を受けてプロレスデビュー。
 しかし、特殊な環境に悩んだ納谷は活路を求めて2019年5月にDDTへ移籍。201cm 110kgの恵まれた身体を活かしきれずに伸び悩んだが、火野裕士との出会いなどを経て近年急速に飛躍。その成長ぶりはかつての石川修司を思わせ、日本人最高身長を持つ納谷は日本人最強ヘビー級の選手となることを期待されている。

 目に見える形での結果を残せずにいた納谷だが、今月3日には数多の強豪を撃破してシングルリーグ戦『D王 GRAND PRIX』を制覇しKO-D無差別級王者・上野勇希への挑戦権を獲得。昨年は決勝戦で上野に敗れて準優勝となったが、今年は納谷が優勝して上野に挑戦することが決まるという運命のめぐり合わせを感じる展開となった。

 優勝後には人目をはばからずに号泣しながら「初めてこのDDTに来て結果を残すことが出来ましたッ!こんな、こんなに嬉しいことはない。正直、数年前までホントにしょっぱくて、正直ずっと笑われてた。死ぬ気で努力して今こうやってDDTの最強になることが出来ました!」とコメント。そのエモーショナルな光景をファンは大きく支持しており、流れは納谷にあると言えた。

 この日、リングに上った納谷の表情はこれまでとは違って自身に満ち溢れた様子。所作の1つ1つに“格上”らしい貫禄が宿る。
 納谷は、D王 GPで終始展開した“相手の長所を徹底的に潰して何もさせず自分は大技を連発”という必勝のファイトスタイルで猛攻。王者・上野はあっという間に劣勢に追い込まれる。
 圧倒的なパワーを誇る納谷に対し、上野はスピード&テクニックで対抗しようとする。一瞬の隙を突いてのトルニージョで逆転の狼煙を上げるも、上野が雪崩式フランケンシュタイナーを狙ったところを納谷が雪崩式チョークスラムで切り返して鎮火。
 納谷は風車式バックブリーカーから逆エビ固め。場外に逃れた上野をリング上から引っこ抜いてネックハンギングツリーで絞め上げる怪力を見せ、コーナーから飛んできた上野を喉輪でキャッチしニーリフトからジャーマン・スープレックス。
 納谷はダイビング・エルボードロップを放つが、これをかわした上野がフロッグスプラッシュを発射。納谷は剣山で迎撃し重いエルボーを猛連打。丸太のように太い足で放つミドルキックで吹き飛ばし、ダイビング・エルボードロップ、雪崩式ブレーンバスター、ランニングニー、チョークスラムと猛連撃。
 さらにエプロン上でのチョークスラムを狙うが、上野がDDTで切り返し、場外に落ちた納谷にケブラーダ。さらに上野がハーフネルソンスープレックスからシャイニング・ウィザード、フロッグスプラッシュ、BMEと投下も納谷が剣山で迎撃。
 納谷がランニングニー、ビッグブートからバックドロップ。もう一発を狙うが、振り払った上野が後頭部へのドロップキックかJul.2。さらに顔面を的確にぶち抜くドロップキックを2連撃。「負けるか!負けるか!」とすがりつく納谷をニーバッドで突き放してBMEを投下。2で返した納谷がラリアットを発射も、これを巻き込んでツイスター(※変形胴絞めフェイスロック)を決めた上野がタップを奪って勝利。ほとんど納谷が攻め続けた試合の中で掴んだ一瞬のチャンスを上野がモノにした。


 号泣する納谷だったが、観衆は大歓声&大喝采で送り出した。
 バックステージに戻った納谷は、「応援してくれたみんなの期待に応えられなくてすみませんでした!こんなこと言ったら上野さん怒るかもしれないけど、上野さんの背負ってるものの大きさがビシビシ伝わってくる試合でした。俺にはまだまだ足りなかったです」と意気消沈。
 しかし、その後は「俺はこれからDDTを引っ張っていくトップ選手の1人として、もう俺は誰かの横に立つでも、誰かに引っ張ってもらうでもなくて、俺自身の力で俺の思う最強の男、俺の力で最強の男を目指して、また俺が最強になった暁には上野勇希の眼の前に立ちはだかりたいと思います。今日は完敗です!」とどこか吹っ切れた様子で去っていった。

 なお、上野は次期挑戦者に男色ディーノを指名。2人のKO-D無差別級王座戦は2月14日に新宿FACEで行われる『The37KAMIINAプロデュース興行』で実施される見込みだ。