ロシア北西部サンクトペテルブルクで、川に落ちたところを救助された男のバックパックから、女性の両腕が見つかった。男はフランスの最高勲章レジオン・ドヌール勲章を受けている著名な歴史学教授。11日に裁判所に出廷し、一緒に暮らしていた教え子を殺害して死体を切断したことを認めた。

男はサンクトペテルブルク大学教授のオレグ・ソコロフ容疑者(63)。検察当局が殺人容疑で調べを進めている。

9日午前に酒に酔ってモイカ川に落ちたところを救助され、病院で低体温症の治療を受けていた。

女性は、ソコロフ容疑者と同居していた大学院生アナスタシヤ・エシュチェンコさん(24)と判明した。7日夜に、容疑者のアパートで殺害されたとみられる。

自宅で頭部発見

ロシアのメディアによると、ソコロフ容疑者がエシュチェンコさんの両腕を所持していたことを受け、警察が自宅アパートを捜索したところ、エシュチェンコさんの頭部とショットガン、ナイフ、おの、銃弾が見つかった。


さらに、川の下流からもエシュチェンコさんの体の一部が発見された。

押収された同容疑者のバックパックからは、電気ショックを与える銃も見つかった。

ナポレオンになりきる

ソコロフ容疑者はナポレオンの研究者で、フランスの最高勲章レジオン・ドヌール勲章を受けている。歴史学の論文を数多く執筆しており、エシュチェンコさんが共同執筆者になったものもある。

同容疑者はナポレオン時代の装束を再現するイベントを主催。自らナポレオンを演じ、エシュチェンコさんも参加していた。

ウラル地方のニュースサイト「Ura.ru」は、エシュチェンコさんの写真をツイートした。

https://twitter.com/ura_ru/status/1193144969273446400


同容疑者は、死体を処理した後、ナポレオンの扮装をして公の場で自殺する計画だったとされる。

4回撃った

ソコロフ容疑者は11日、法廷で、エシュチェンコさんを、銃身を短く切ったショットガンで4回撃ったと認めた。さらに、死体をのこぎりとキッチンナイフで切断したと述べた。

同容疑者はまた、エシュチェンコさんが激しい口論の末にナイフで襲いかかってきたため、発砲したと主張。

「この女の子は美しい理想的な人だと思ったが、怪物に変身した」と話した。


さらに、エシュチェンコさんは、同容疑者の前妻との間に生まれた子どもたちに嫉妬していたと述べた。

エシュチェンコさんの両親は、同容疑者の主張は事実ではないとした。

「後悔している」

法廷では、ソコロフ容疑者が「後悔している」と涙ながらに述べる場面もあった。

同容疑者はエシュチェンコさんと5年間同居していたと述べた。だが、同居期間は3年間だったとの報道も出ている。

同容疑者には裁判前の2カ月間の勾留が命じられた。

「大学当局に懸念伝えた」

ロシア政府はこの事件について、「おぞましい」犯罪としている。ウラジーミル・プーチン大統領は、サンクトペテルブルク大学の卒業生。

同大学はソコロフ容疑者を解雇。フランスの社会・経済・政治科学学院(ISSEP)も、同容疑者を役職から解いた。

サンクトペテルブルク市議で、ソコロフ容疑者の元学生だったというワシリー・クーニン氏は、同容疑者の行動について大学当局に懸念を伝えたが、大学は対応しなかったとツイートした。

複数の学生によると、ソコロフ容疑者はフランス語を話すのを楽しみ、ナポレオンのまねをしていたという。

また、エシュチェンコさんのことは「ジョセフィーヌ」と呼び、自分のことは「殿様」と呼ぶよう求めていたという。

2人の関係は周知の事実か

エシュチェンコさんは、ロシア南部クラスノダール地方出身。彼女の知人はRIA通信に、「静かでやさしく、いつも理想的な学生だった」、「2人の関係はみんな間違いなく知っていた」と話した。

ロシアのメディアによると、エシュチェンコさんの母親は警察官で、父親は体育の教師。きょうだいの1人は、サッカーのジュニアのロシア代表チームでゴールキーパーとして活躍したという。