ロシア各地で21日、収監中の刑務所で深刻な体調悪化が懸念されているロシア野党勢力の指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏(44)の釈放を求める抗議集会が無許可で行われた。抗議には数千人が参加した。

首都モスクワやサンクトペテルブルク、極東・ウラジオストクのほか、シベリアの複数の都市や、ナワリヌイ氏が収監されている中部ウラジーミルなどで市民らが抗議した。

警察は29の都市で計1万4000人以上(うちモスクワは約6000人)が抗議活動を行ったとしている。

しかし、人権監視団体などによる参加人数の推定は、警察の公式発表をはるかに上回るものが多い。監視団体OVD-Infoは、この日の抗議デモで合わせて1000人以上が拘束されたとしている。

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を批判しているナワリヌイ氏は、かつて言い渡された横領罪での執行猶予つき有罪判決をめぐり、執行猶予の条件に違反したとして今年2月、刑務所に収監された。現在、モスクワの東約100キロの町ポクロフの刑務所に収監されている。ナワリヌイ氏は有罪判決について、政治的動機に基づくものだとしている。

ナワリヌイ氏は背中と脚への激しい痛みに対する適切な治療を求め、3月31日にハンガーストライキに入った。

市民は何週間もハンガーストライキを続けるナワリヌイ氏に適切な医療を受けさせるよう求めている。

「未来のために戦う」

「これは自由なロシアの最後の試みの1つだ」、「私たちはアレクセイのために声を上げに来た」と、あるデモ参加者はロイター通信に語った。

別の参加者は、「これは未来のための戦いだ」とAFP通信に述べた。

一方でこの大規模な抗議がもたらす影響について、さほど期待していない人もいた。「このデモでナワリヌイを救えるとは思わない」と、アレクサンドル・ブトゥゾフ氏はAFP通信に述べた。

「路上での抗議には少なくとも20万〜30万人は必要だ」

当局の警告を無視

デモ参加者は当局からの厳しい警告を無視して抗議した。ほとんどの主要都市では警官の厳重な警備が敷かれた。

ロシア内務省は今週初め、「公共での無許可集会の参加者によるいかなる攻撃的な行動、とりわけ法執行職員との衝突を誘発しようとする行為は、公共の安全に対する脅威とみなし、直ちに鎮圧する」と発表していた。

モスクワでは、機動隊がデモ会場からの退去を促し、バリケードを設置してデモ隊のルートを封鎖しようとした。

デモに先立ち、プーチン大統領が年次報告演説を行ったマネージュ広場の展示場周辺も封鎖された。

ナワリヌイ氏は病棟に

ナワリヌイ氏は19日、刑務所内の病棟に移された。当局は同氏の健康状態について「申し分ない」だとしている。

ロシア連邦刑務所局(FSIN)はナワリヌイ氏は毎日医師の診察を受け、ビタミン剤の摂取にも同意していると付け加えた。

しかしナワリヌイ氏の医師団は、背中の激しい痛みと足の感覚喪失を早急に治療しなければ、同氏は「数日内に死亡する」としている。

血液検査の結果から、ナワリヌイ氏は腎不全を患い、いつ心不全になってもおかしくない状態とみられるとしている。