フィル・ケンプ、ルーシー・マニング(BBCニュース)

武装勢力タリバンが復権したアフガニスタンからイギリスへ移住する資格を得られる可能性のあるアフガニスタン人の個人情報を、英国防省が漏洩(ろうえい)していたことが、BBCの取材で明らかになった。同省は20日に、英軍の通訳だったアフガニスタン人の情報を電子メールで誤送信したとして謝罪したばかり。こうした情報漏洩はアフガニスタン国内に残された人の安全を脅かす恐れがある。

英国防省が今月初めに送信した電子メールに、アフガニスタン人数十人分のメールアドレスや表示されていた。すべての受信者が閲覧可能な状態だったという。

同省によるアフガニスタン人の個人情報漏洩が発覚したのは今回で2度目。現在、情報漏洩について調査が進められている。

漏洩について同省は謝罪したうえで、これらのアフガニスタン人に特別なサポートを提供していると説明した。

メールアドレスや名前が閲覧可能に

今回新たに、英国防省の職員が今月初めに送信した電子メールに、アフガニスタン人55人分のメールアドレスや一部の人の名前が表示されていたことが明らかになった。

受信者のうち少なくとも1人はアフガニスタン国防軍出身者。アフガニスタン人の移住支援を行う英当局者から、連絡が取れないため情報の更新を求められていた。

国防省の報道官は、「我々は今月初めに発生した、アフガニスタン人移住・支援政策(ARAP)チームによるデータ侵害を認識している」と説明。「国防相は今週、当該チーム内でのデータの取り扱いについて調査を指示した」と述べた。

「このようなことが今後起こらないようにするための措置をすでに実施した」

数日前にも情報漏洩で謝罪

同省をめぐっては、英軍通訳として働いていたアフガニスタン人のメールアドレスなどが漏洩したとして、ベン・ウォレス国防相が20日に謝罪したばかりだった。

ウォレス氏は英下院で20日、何千人もの軍人や退役軍人を失望させる「受け入れがたい水準の仕事ぶり」だと述べた。

最初に明らかになった事案では、イギリスへの移住を求めるアフガニスタン人250人以上に国防省が送ったメールに、誤って全員のアドレスが表示されていた。移住希望者の多くは、アフガニスタンで復権した武装勢力タリバンを恐れ、身を隠している。

移住希望者のメールアドレスは、すべての受信者が閲覧可能な状態だった。名前や関連するプロフィール写真も表示されていた。

ウォレス氏は調査を開始し、職員1人が停職処分を受けたと説明した。

国防関係筋がBBCに語ったところによると、ウォレス氏は20日に下院に出席した段階では、2件目の漏洩については知らなかったという。

アフガニスタンでの従軍経験があるジョニー・マーサー元国防相(与党・保守党)は、今後も類似事案が発覚するかもしれないと懸念している。

「私は最初から、(イギリスに協力したアフガニスタン人)の扱いについて心配していた。カブールが陥落し、誰もが出国しようと、あまりに大慌てだっただけに、こうしたミスは避けられなかった」

「我々は排除すべきではない人々を排除し、国外へ連れ出すべき人々の大半を連れ出せなかったと、個人的にそう考えている。あの国で起きたことの規模を、我々はようやく思い知らされつつあるのだと思う」

ジョン・ヒーリー影の国防相(野党・労働党)は20日、ウォレス国防相の謝罪を受け入れつつ、今は行動することが何より重要だと下院で述べた。

(追加取材:マリー・ジャクソン)