インターネットイニシアティブ(IIJ、勝栄二郎社長)は12月25日、農業IoTへの取り組みの一環として、水田の水管理を省力化する水田水管理IoTシステムを開発し、主に大規模な水田を保有する農家や農業共同経営体(JA)を対象に販売を開始すると発表した。

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 今回開発したシステムは、水田の水位と水温を測定するIoTセンサーと、取得したデータを無線経由でクラウドに蓄積し遠隔からスマートフォンで確認できる通信機器とアプリをパッケージにしたスターターキット「水管理パックS」。住友商事が販売元となり、12月25日に受注受付を開始し、20年3月から提供する。同システムを利用することで、自宅にいながらスマートフォンで圃場の状況を把握でき、水田の水管理にかかる労働負荷を大幅に軽減できる。
 IIJでは、17年から農研機構生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち経営体強化プロジェクト)」の支援を受け、水田の水管理の省力化を可能とする低コストなICT水管理システムの開発を進めてきた。静岡県磐田市、袋井市での3年間の実証実験を経て、今回、長距離(約1−2km)の通信を可能とする無線方式LoRaWANに対応した安価な水田センサーの開発に成功した。
 スターターキットとして提供する水管理パックSには、水田の水位と水温を測定するLoRaWAN(R)対応のIoTセンサー(10台)、センサーからデータを収集しクラウドに送信する無線基地局(1台)、スマートフォンでデータを閲覧するための専用アプリケーション(3年間の利用料)、センサーとデータを集積するクラウド間の通信料(3年分)が含まれる。
 なお、笑農和(下村豪徳代表取締役)が開発した圃場の水量を自動制御する給水バルブを利用して水管理を行うことで、水田の水管理にかかる作業時間などコストを大幅に削減することが可能となる。