大日本印刷(DNP)は8月27日、個人の同意に基づき、パーソナルデータの流通を担う「情報銀行(情報信託機能)」事業に参入を検討している事業者向けに、個々の専用環境で情報銀行の実証を行える「情報銀行サンドボックス」を提供すると発表した。

 情報銀行サンドボックスは、コンピューター内に構築されたセキュリティの高い仮想空間で、総務省と経済産業省の「情報信託機能の認定に係る指針ver2.0」を考慮したシステムプラットフォームとなる。これにより企業は、大規模な設備投資を行うことなく、簡易に短期間で情報銀行の実証を行うことができる。
 具体的には、「生活者向け」「サービス事業者向け」「情報銀行事業者向け」の3つのアプリケーションをパッケージで提供する。生活者が提供に同意したパーソナルデータをもとに、サービス事業者が個々の生活者にデータ利用のオファーを配信できるようになる。また、情報銀行事業者はオファー状況などのデータ管理が行える。
 生活者が情報銀行に情報を信託する際、パーソナルデータへの本人関与(コントローラビリティ)が重要となる。情報銀行サンドボックスでは、生活者本人が同意した一定の条件でパーソナルデータの提供先となるサービス事業者を判断する「包括的同意」、生活者がサービス事業者ごとに提供可否を判断できる「個別同意」という多様な「同意設定機能」を備えている。また、生活者がパーソナルデータの提供履歴を確認できる「トレーサビリティ機能」を実装し、コントローラビリティを確保している。実証環境として、各実施企業が専有できるクラウド環境を提供する。
 生活者向けアプリでは、生活者の属性・嗜好・生活習慣・ライフログといったパーソナルデータを格納できるため、様々なシーンを想定した実証が行える。会員一人一人のニーズに合ったサービスを提供したい企業、地域のサービス事業者と連携した地域活性化を目指す企業、観光やエンターテインメント関連で生活者に寄り添ったサービスを提供したい企業などに適している。
 税別価格は330万円から(約2カ月の設定に関する準備期間と3カ月間利用した場合)。
 DNPでは今後、情報銀行サンドボックスを年間50件の実証へ提供し、情報銀行事業に参入を検討する企業を支援。また、すでに提供している情報銀行システムプラットフォームの導入も拡大していく考え。