SAPジャパンは9月15日、企業の「インダストリー4.0」化を支援するための組織「Industry 4.Now HUB TOKYO」を設立した。主に国内製造業の顧客を対象としており、東京・大手町の同社共創施設「SAP Experience Center Tokyo」内にスマート工場のデモコーナーを設けたほか、SAPが持つデジタル化のノウハウを提供していく。

 近年、世界で多くの製造業がIoTやAIの導入による製造のデジタル化を試みているが、そのうち大半は現在もPoC(概念実証)段階で、本格導入に向けた拡大戦略を描けていないとSAPは見ており、さらなる施策が必要と判断。顧客のデジタル化を具体的に支援する組織の発足に至った。
 同社が特に大きな課題として捉えているのが、製造現場と経営層で情報が分断していることだ。国内では高度な自動化が進んでいる工場が少なくないが、工程管理や作業指示に用いられているMES(製造実行システム)とERPなどの基幹業務システムの連携が不十分で、データを活用できていないケースが多いという。Industry 4.Now HUBでは、同社のクラウド型MESとERP、三菱電機製のロボットなどが連携し、ECサイトを通じて入った注文に対して人とロボットが協働しながら特注製品を生産する様子を展示。1日がかりのワークショッププログラムを用意しており、来訪者は生産のデモンストレーションを見たり、データ可視化とそれに基づく意思決定の事例を知るといった体験をしながら、現状の課題の洗い出しや、ビジネスプロセスへの適用を目指す企画方法などを学べる。
 Industry 4.Now HUBのデモコーナーを設けたSAP Experience Center Tokyoは、今年8月に開設から1年を迎えた。宮田伸一・常務執行役員によると、1年間で5000人の顧客やパートナーが訪れ、「変革へのステップをより具体的に描けるようになる」という。今回より具体的な支援組織を立ち上げたことで、変革に向けた投資の加速が期待できるとしている。(日高 彰)