沖データ(OKIデータ、森孝廣社長)は、持ち前のプリンタの小型化技術を駆使して、プリンタモジュール市場の開拓に乗り出す。同社は、プリンタの光源に小型化が可能なLEDを使うなど、小型化の技術開発に力を入れてきた。コロナ禍で一般オフィス市場のプリント需要が世界的に伸び悩む中、SIerなどが開発する業種・業務向けのシステム商材の“プリンタモジュール”としての売り込みを本格化させる。

 その第一弾として今年9月に幅狭カラーLEDプリンタ「PLAVI(プラビ)Pro330S」の販売をスタート。幅86ミリまでの幅狭用紙のフルカラー印刷に対応したもので、小売店の売り場で使う値札や、施設の入場券、入館証の発行機への組み込み、薬剤耐性、耐水性がある特殊用紙を必要とする医療現場での使用も想定している。
 小売店の値札の印刷では、POS関連システム開発の寺岡精工が採用。PLAVI Pro330Sを手押し車に載せて、売り場で値札を印刷する用途で使う。バックヤードで印刷して売り場に持っていくより手間がかからず、値札の張り間違えをなくしたり、作業効率を高める効果が期待されている。
 OKIデータは、これまでも業務システムにプリンタモジュールを組み込んで販売するケースはあったが、案件ごとの単発が多かった。「モジュール販売を主要な販売チャネルの一つと位置付け、本格的なチャネル開拓に乗り出すのは今回が初めて」と、森社長は話す。業務システムの売り手であるSIベンダーなどとの関係強化を目的に、SIビジネスパートナー専用ホームページを10月2日付で開設。SIベンダーと組んで、業種・業務向けの販売施策をより明確に打ち出した。
 プリンタモジュールの組み込み販売のチャネル開拓を本格化させる背景には、この半年余りの一般オフィスでのプリント需要の伸び悩みが挙げられる。リモートワークの比率が世界規模で高まるとともに、業務のオンライン化によるペーパーレスが加速。複合機を含む主要プリンタメーカーが限られたパイを奪い合う状況にある中、比較的小規模なOKIデータにとって不利になると判断した。
 もともと小型化や、機構の簡素化による故障率の低減、幅狭、ラベル紙といった特殊用紙への対応といった特色ある製品づくりをしてきた同社は、販売チャネルについても「他社とは違う取り組み」(森社長)を重視していく。直近のグローバルでの売上構成比をみると、連結売上高約1000億円のうち海外が約7割、国内3割で推移してきたが、販売ボリュームがある一般オフィス用プリンタの伸び悩みと、国内でのプリンタモジュールの組み込み販売を重点的に伸ばす施策から海外6割、国内4割程度になると予想。当面は国内の成長が先行すると見ている。(安藤章司)